練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『あなたには帰る家がある』 山本文緒

2005-08-17 | 読書
「夫は花になんか興味はないのに、貴方は紫陽花が綺麗だと言ってくれました」とかいうようなことが文庫の後ろに書いてあったので、切ない話なのかと思ったら・・・

これは絶対、コメディーだと思う!
みんな配偶者がいて、子どもがいて、年寄りを抱えていて、仕事でもめて、好きな人ができちゃって、ドタバタ、ジタバタしている話だ。
それで真剣になればなるほどなんだか可笑しく感じてしまう・・・。
みんなカッコ悪いところを晒しながらも生きているんだなぁ・・・、と共感してしまう。

それに、「他のひとと寝ていたあなたとはもう結婚生活を続けることができません。」なんていう見え透いた清廉潔白さ、みたいなのがないところが違和感なく読み進むことができる。
とにかく生きていくしかないんだもん、最初に掲げたポリシーとか仰々しいものは取っ払ってしまって、それでも必死にジタバタしながらみんな生きてる、ということを感じさせてくれる作品でした。

せみ

2005-08-14 | Weblog
こんな大人になりたての白く輝くせみの姿をいたるところで見ることができます。
窓を開けていると、「せみの鳴き声がうるさすぎてCDが聞こえない」と娘が文句を言うほどです。
やっぱりこの辺は田舎なんだなぁ~~~

(撮影:娘)

『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』

2005-08-13 | 映画・ドラマ
アクション・スペクタクル・アドベンチャーもの、といえば結末は勧善懲悪のハッピーエンドがお決まり。
そういう映画はあまり進んで観ない、と『亡国のイージス』のところで書いたけれども、同じお決まりの結末が分かっていても、この作品は面白かった
なにが違うのかなぁ・・・?
やっぱりむやみやたらに人が死なないし、絶対的なハッピーエンドで明るい、っていうのがいいのだと思います。

どこかで観たようなシーン、インディ・ジョーンズ?ロマンシング・ストーン?と思わせるような部分もあるけれど、絶体絶命もう助からない!と思った次のシーンではワッハッハとばかりに無事生還している、なんていう突っ込みどころも数々あるけれど、この手の映画はTDLのアトラクション感覚で楽しめるのがきっとよいのでしょう。

この映画のためにからだを鍛え直したというベネロペ・クルスも綺麗だったけど、脇役陣がいい味出しています。

原作はクライヴ・カッスラーのダーク・ピットシリーズより『死のサハラを脱出せよ』

『本当は違うんだ日記』 穂村弘

2005-08-12 | 読書
おすすめ。

特にある一部の人たちにおすすめ。

カップラーメンを食べてもエレガントに見える人に憧れているのに、自分は箸の使い方が全くできていない、そんな人におすすめ。

正々堂々としていて、誇り高くて、恋愛よりも友情を優先していそうで、常にプラス思考な人のことをあまりにもまぶしすぎて直視できない、そんな人におすすめ。

ひとりでいることが好きで、でもみんなでいるのも好きなんだけど、「いつからいたの?って聞かれるけど、最初からいましたっ!ヒロシです・・・」っていう雰囲気の、そんな人におすすめ。です。

『亡国のイージス』

2005-08-10 | 映画・ドラマ
たまたまチケットがあったので、主人と一緒に観に行った。
本当はこの系統の映画はあんまり興味がないので、他のを観たかったのだけれど、どうも主人が「観たい光線」をビシバシ出していたので・・・。
この系統の、とはスパイものとかテロものとか戦争ものとかそういった内容の映画だ。もちろん観る前から面白くなさそう、とかいうのは大変失礼だというのは重々承知だし、面白い作品もたくさんあるのは分かっているのだが、どうも時代劇的に勧善懲悪な結末が観る前から分かってしまっている、というところに食指が動かないのである。
それだったら『セブン』(古いけど)のように、後味が非常に悪いが悪が勝つこともあるという内容のほうが好きだ。
でも、主人は「こういうの大好き!」だそうで、「村上龍の『半島を出よ』が映画化されたら、絶対観に行く!」と今から言っている。

ストーリーは原作がベストセラーにもなったようだし、特に記さないが、映画としては、キャスティングもすごいし、大掛かりなセットで、お金がかかっていそうな映画だな、という印象。
特にキャストは真田広之、佐藤浩市、中井貴一などなどそうそうたる男優陣、というか女性が出てこない。
まあ、男性をカッコよく描いている映画なんだな、と思った。でも、それにしても、なにがあっても死なない不死身の真田広之にはつっこみどころ満載で、さすがに主人も「あれはカッコよすぎだな」と言っていた。
個人的には佐藤浩市が好きなのだが、さほど活躍するシーンがなかったのが残念。やっぱり悪役の中井貴一がいちばんよかった。

ところで、いっぱい出てくる男優の中で、絶対何度も出演作を観ているはずのカッコいい若い男優さんが出てきたのだが、どうしても名前が思い出せなくて、その人が出てくるシーンのたびに「誰だったけな、誰だったっけな」と考えながら観ていて、遂にスクリーンのすみ、中井貴一の陰になる部分で彼が自決するまでその名前が出てこなかった。
「顔を見ても名前が出てこないこと、ありませんか?」というCMがあったが、そんなの最近しょっちゅうだ、と改めて思ったのだった。
最後、エンドロールをじっくり見て、やっとすっきりした。
○藤政○くん、ごめんね。でも、とてもカッコいいので、ファンです。

『キッドナップ・ツアー』 角田光代

2005-08-01 | 読書
夏休み、子どもに読ませたら面白そう、と思って買い求め読んでみました。

予想どおりなかなかの作品。子どもにも「面白かった!絶対読んで!」と言っておきました。

小学5年生のわたしを離婚だか別居だかしていて普段は一緒に暮らしていないおとうさんがユウカイする、というお話。
どうしようもなくダメなおとうさんにあちこち連れまわされて行くうちに、もう二人でこのまま逃げてしまおうか、という心境にまでなるわたし。
おとうさんのこと、あんなにバカにしていたのに・・・。

テイタム・オニールとライアン・オニールの名作『ペイパームーン』を思い出しました。

こんな極限状態での父娘の心の通い合い、っていうのはむしろ充分ありえるだろうなぁ・・・。
いっつも家でゴロゴロ、もしくは仕事ばっかり、怒ってばっかり、そうでなくても思春期の女の子にとってお父さんはなんとなくウザイ。そんな日常の中で父と娘が上手くやって行くという方が至難の業、かもしれないとも思ったのでした。

この方の直木賞受賞作は読んでいない、というかこれが初めて読んだ作品なので、その他の物語もこれから読んでみることにいたしましょう。