歌友が、角川『短歌』1月号の馬場あき子さんの、昨年11月に亡くなられた、その御連れ合いの岩田正氏を追悼した歌がすばらしいと教えてくれたので、図書館に読みに行ってきた。
ちなみに、馬場あき子さんは現在90歳のプロ歌人。亡くなられた夫君の岩田正氏もプロ歌人であられた。
亡くなられた岩田正氏は享年93歳であられた。
私は、詠風の違うお二人の作品を、それぞれ楽しませていただいてきた。
その追悼作品は、「別れ」という題の連作で、
・ふたりゐてその一人ふと死にたれば検死の現場となるわが部屋は
で始まって、
・亡き人はまこと無きなり新しき年は来るともまこと亡きなり
で終わる20首であるが、母を亡くしたばかりの私も素晴らしいと思ったので、購入しようと、図書館をあとにして、同じアステという建物の中にある本屋さんに行った。
そこは、まあまあの規模の本屋さんなのだが、角川『短歌』は置かれていなかった。
角川書店の『短歌』は短歌総合誌の中でも一番読まれている雑誌だと思うのだが、その雑誌すら置かれていないということは、いかに短歌界がマイナーな世界かということになる。
駅の向こう側の紀伊国屋書店に行けばあると思ったが、そこまでして買いたいとも思わなかったので行かなかった。
駅の向こう側の紀伊国屋書店も、私が川西に来た頃は、角川『短歌』は無論、私が現在購読している短歌研究社の『短歌研究』も、それ以外の、『歌壇』とか『短歌現代』とかいう短歌雑誌も置かれてあった。
それが、昨年行くと、最大手の角川『短歌』しかおかれなくなっていたので寂しく思ったところだった。
これは、短歌をする人が減ってきているということだろうか?
それとも景気のよさが喧伝されるわりには実質収入の減っている庶民の懐事情によるものだろうか?
その馬場あき子さんの作品のことを教えてくれた歌友も、以前は短歌の雑誌を全部購読していたが、最近は絞って、必要なときだけ買うようにしていると言っていた。
もともと稼ぎのない主婦の私は、講読している短歌雑誌は、ずっと一冊だけだった。
本当は、角川『短歌』も購読したいのだが、『短歌研究』のみにしているのは、短歌研究社の新人賞に応募するには、誌面の記事を切り取って、それに応募要項を書かないといけない決まりになっているから、仕方なく、というところがある。
「この短歌研究社のやり方はせこい」と思うときもある。
が、短歌雑誌社も、そうでもしないとやっていけないくらい経営が厳しいのかもしれない。
角川『短歌』はそんなせこいことはなかったので好感を持っていたが、しかし、今日は「せこいなあ」と思われることが書かれてあった。
私は、最近は、短歌研究社の新人賞も角川『短歌』の新人賞も応募しているが、この1月号に、新人賞応募の規定が書かれてあって、
ブログ等で発表したものが含まれていた場合は入賞しても取り消す
と。
まあ、これは以前から一応言われていたことではあったが、しかし、ここまで明記されてはいなかった、と思う。
私がブログを書く楽しみの一つに短歌を添えるというのがある。
文章を綴っているうちに、それを歌にしたくなってくるのだ。
駄文を歌でまとめたくなると言ったらわかりやすいだろうか。
そうすることで、駄文が歌によって多少でも引き締まると思うし、逆に下手な歌は、駄文があるおかげで理解されやすくなるという相乗効果が得られると思うのだ。
こういうやり方で歌を作れば、歌は、いくらでも湧いてくる。
ブログを始めるまでは、歌は大学ノートに書き貯めるようにしていた。
が、独り書き貯めるより、人に読んでもらいながら書き貯めるほうが、よほど楽しい。
私は、基本、歌はそのまま、その場で読み捨てられていいと思っている。
が、この読み捨てられる歌をまとめたものが応募できるのならという気持ちで応募している。
ダメ元でいいのだ。
私の作品が賞をいただけるなどとは思ったこともないが、しかし、オリンピックと同じで、参加することに意義があるのだ。
短歌というものは、その程度のものだと思っているふしもある。
今月追悼集を編まれている岩田正氏の作品なども軽妙を絵に描いたようなものが多かったと記憶している。
しゃちこばっていないが、しかし、心に残る作品。
私は、それでいいと思う。
が、この今日見た応募規定は、それをさせないというケチなものだ。
なぜ、そんな堅苦しい応募規定などにするのだ。(怒)
ハンドルネームで綴っている、どこの誰べえが書いているかわからないブログの作品に目くじらを立てなくても。
どうしても駄目というのなら、短歌界の有名諸先生方は駄目な理由を私にわかりやすく説明してください。
だいたい私は、自分の子供くらいの年齢の有名諸先生たちに選歌という選別をされたくないから結社をやめたので、これ以上、私の行く手を阻まないでください。
*
・マイナーなブログ手帳の代はりなり手帳に書きし短歌は駄目と?
・発表といふより記事にして記録するブログなりわれのブログは
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます