葡萄と檸檬
2011-06-09 | 本
角川春樹事務所のハルキ文庫・280円シリーズがなかなかのスグレモノです。
角川春樹事務所のHPではこのシリーズを案内する近道が特にないようなので、誕生の趣旨などを記事にしたものをコピペしておきますね。
「280円文庫」シリーズ創刊
角川春樹事務所が、明治から昭和にかけての名作を収めた「280円文庫」の刊行を始めた。低価格に抑えることで、これまで近現代の文豪の作品になじみが薄かった若年層などの読者を掘り起こす狙いがある。
第1弾は、芥川龍之介『蜘蛛の糸』、太宰治『桜桃』、坂口安吾『堕落論』、梶井基次郎『檸檬』など10点。読みが難しい漢字にはルビを振り注釈を多めに付けた。また著者の略年譜も充実している。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』には、表題作のほか、東日本大震災をきっかけに再び脚光があたっている「雨ニモマケズ」と「雪渡り」も収録。作家の長野まゆみさんが、賢治を初めて読む人向けに、エッセーを寄せている。
今後も人気の高い文豪の作品を中心に、年10点ずつ刊行する予定という
(2011.5.1・産経ニュース)
私は既刊10冊の中から、有島武郎の『一房の葡萄』と梶井基次郎の『檸檬』を買って読みました。それぞれ作家の代表作だし、学校でさらっと習っただけで、すでに読んだ気になっていましたが、実際は読んでなかったのかもしれません。
だから新鮮味タップリでした。
漢字にはルビがイヤというほど振ってあるし、語(脚)註がていねいにつけられています。
何より、巻末の解説―この文庫ではエッセイとなっています―を読むだけでも得した気分になります。
『一房の葡萄』は重松清さん、『檸檬』は高田郁さんです。
ほかにも、三浦しをんさん、小手鞠るいさん、なぜか太宰治の『桜桃』はピースの又吉直樹さんなんです。読んでみたくなるでしょう。
小学生から私のような年配まで、年齢を選ばず読める文庫です。