ジョージ・フォアマンが逝った。今や一部のボクシング・ファン以外では余り知られていないであろうが、彼の『45歳での王者返り咲き』というカムバック劇は衝撃であり、大きなドラマが現実として描かれた・・・そんな凄味があった。94年のことだ。
「神の意思でリングに立っているだけだ・・・」と当時、頻繁に語っていた彼。77年の現役引退後は聖職者として慈善事業ばかりをしていた彼だったのだが、残念ながら資金難に陥ってしまう。その時に聞いた「リングに立て!」という神の声を元に、10年後の87年、突如リングに戻ることとなったのだ。
元世界チャンピオンとは言え、ヘビー級という破壊力満点の花形階級だ。復帰当時、多くのボクシング・ファンからは『無謀な挑戦』としか見られていなかったことを良く覚えている。体型は決して現役時の様にシェイプされているわけではなく、『中年のデカイハゲおやじ』が打たれながらも怯まずに前へ出て、1発で相手を沈める・・・そんな戦い方は、あまりに出来過ぎていて「アレだけ打たれていたのに1発で伸しちまうのか!」と痛快なコントの様でもあった。
その後、徐々にランキングを上げて行き、結局94年にWBA・IBFのチャンピオンに返り咲く。俺もテレビで見ていて興奮したし、KO後に神に祈る彼の一貫した忠誠心には胸を打たれたものだ。その後97年にリングを降りた彼。再度慈善事業に精を出し、二度とリングに上がることはなかった・・・。
そんな彼には『大きな勇気』と『真っ当な生き方』を教えて頂いた。『男の中の男』であり『偉大な人物』がまたひとり居なくなった・・・。
ご冥福をお祈りしながらも、チャンピオンに返り咲いた『あの瞬間』を思い出させ、今も『Big George』は俺を笑顔にさせてくれるわけである。
《編集長& Jerry's Guitarオーナー「Mash」筆》
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