読者諸賢……イチバン!
ポールの来日公演が終わったにも関わらず、
いまだ心が沸き立つ中いかがお過ごしかな?
ハウリン・メガネである。
筆者も名古屋公演を観たぞ!
詳しい話はMash氏の記事と重複するので省くが、
まあ、氏の記事に書かれている通りだと私も思う。
だが、そんな感想を抱きつつも、
結局最後には「やっぱ凄いわ!ポール!」
と思わせてくれるのだから
ポールはやはりFabな男だ!
(あと忘れちゃいけないのはポールバンドの面々! 最高に仕上がってる!あれとタメを張るのはボブのバンドくらいしか思いつかない……)
ちなみにMash氏の記事でも触れられているが、
彼の最新作、エジプトステーション!
は皆もう聴いたか?
筆者ももちろん聴いたが、
あれは私としてはスルメ盤
(聴き続ける内に味が出てくる盤)
だと思うぞ。
そしてコレまた個人的意見だが、
あの盤でのポールのベースサウンドは
彼の歴史の中でもベストに近い仕上がり!
だと言っていい。
ベーシストの方、絶対聴いた方がいいぞ!
(まあ、全ミュージシャン必聴盤であるが。
良い盤については本当は「聴け!」の一言…
で済むのだ)
さて、上記のような話をしたという事は
今回はポールの盤なのか?
と思った方々、No!
まだまだアレサの話が終わってない!
今しばらくアレサの話をさせてくれ!
(ポールについてもいつか書く日が来るだろう。
あとイーノ話を待ってる方々もうしばらくお待ち!)
さて、今回のアレサだが、
前回、前々回から少し時代をさかのぼり、
1976年作「Sparkle」のご紹介だ!
(徐々に貴重になりつつある国内オリジナル帯付き)
このアルバム、同名映画のサウンドトラックらしいのだが、全曲アレサがフルに歌っている為、
アレサのオリジナルアルバムといってよいと思う。
余談だが、映画の方はシュープリームスをモデルに作られた映画だが、日本未公開。
2012年にリメイクされているが、こちらも日本未公開(DVDは出ている)とちょっと不遇な作品。
(後者はホイットニー・ヒューストンが出演しているが、これが彼女の遺作となった……)
音楽をテーマにした映画はわりと数があるが、
黒人ミュージシャンを主題に据えた作品っていうのはどうも不遇になる気がする。
筆者の好きなメジャーな映画には
「天使にラブソングを」や「ブルースブラザーズ(アレサも出演!)」があるが、あれらは「ブラックミュージック」が主題であって「黒人ミュージシャン」が主題ではないからなぁ...閑話休題
そして、このアルバム、必ず書いておかなくてはならないことが一つ。
このアルバムのコンポーザー、プロデューサーの事である。
...誰が担当か?
カーティス・メイフィールド御大だぁっっっ!
彼の「CURTIS/LIVE!」は
私にとって教科書のような作品!
「歌の為にあるギター」とはこういうものなのだ!というのを一聴しただけで理解させてくれた素晴らしい盤である。
そんな彼の曲をアレサが歌う!
するとどうなるのか?
強烈すぎるスルメ盤が生まれるのである!
全編を通じてカーティス節が効きまくった楽曲と
サウンドプロダクトがアレサの歌を
「燻し銀のアクセサリー」のように彩る。
そんな盤に仕上がっている!
(当たり前の話だが、アクセサリーってやつは本人とのバランスが取れてなきゃ浮くだけだ。
レディソウル、アレサにふさわしい極上のシルバーアクセサリー。それがこの盤でのカーティスのサウンドだってことだ!)
A面4曲、B面4曲とコンパクトにまとまったアルバムなので、何回聴きかえしてもすぐ終わってしまう。
無論全曲必聴だが、個人的にはB面が好きだ。
カーティスお得意のクールなビートが刻まれる中、アレサの雄叫びが夜の底をかき回すような
[B-1] I Get High。
カウベルのリズムとベース、
コーラス隊の絡みが絶妙な
[B-2]Jump。
(最後フェードアウトするアレサのシャウトは完璧よ!)
都会的なホーンセクションとストリングスサウンドがシカゴのゴージャスな夜を想起させる
[B-3]Loving You Babyと[B-4]Rock With Me。
...という風に個人的にかなりの大好物サウンドで、終始ご機嫌な盤なのだが、
惜しむらくはカーティスがプロデュースしたアレサの盤で名が残るほど目立つのがこの盤しかない、
というところだ。
(たしかもう1枚2枚プロデュースしているはずだが、筆者忘……)
全ての盤に言えることだが、
もっとこのコンビネーションでのサウンド
が聴きたいと思えど、この盤でしかそのサウンドは聴けない。
それもまた、盤の魅力に繋がっているのだ!
とまあ、色々述べてはみたが、簡単な話、
聴けばわかるよ!本当に良い仕事してるから!
ってことですね(笑)
なんでカーティス・メイフィールドという人が
ちゃんと名前を残せたのかがよく分かるから!
インプレッションズの盤も必聴だけれど、
彼の裏方仕事も見逃せない!
さあ聴け!いま聴け!すぐに聴けぇぇぇい!
以上、興奮のハウリン・メガネでした。