幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

松前みやげ 津軽藩領縦断編(碇ヶ関~三厩)

2020-02-01 13:15:40 | Weblog
松前みやげ 碇ヶ関~三厩

湯沢を出立した、松高梅治ほか35名は、秋田領から津軽領に
入ります。



登リハ一リト半ニシテ    下リハ津軽領地ニテ
爰モ同一リ半ン       碇ヶ関番所ニテ
秋田ノ藩中何ノ某      在用テ通ルト断テ
行道狭シト打通リ      爰ニテ一夜ノ泊リ也
此村浦ニ出湯アリ      爰より城下え六里余
其日ハ野辺テ昼ツカエ    行ケハ桐ナク倉館村テ
爰ノ村ニモ出湯アリ     入湯人モ数見得ル
詠テ城下え着シケル     宿ノ亭主ハ土屋清助
弘前公ハ越中守様      四位従侍テ十万石
城下ノ家数一万軒      四方ノ山ハ遠クシテ
岩城山ヘハ三里ナリ     奥州富士ト唱リ也
翌日爰ハ五ツ立       詠々テ歩ミ行



浪岡村ニテ昼ニシテ     油川町ニテ一宿致シ
亭主ハ内村三太郎      此町屋モ不足ナシ
城下よりノ道法ハ      爰町迄七里余
此日夜ノ四ツ頃ニ      大地震ハ寄リ来リ
既ニ外面へ走リラント    思門ニソ鎮リケル
此町浦大海ニテ       漁船多ク往来シ
翌日爰ハ五ツノ立テ     爰より三厩湊マテ
道法り凡十里程       是ヨリ行道濱通り
此日類ナキ天気ニテ     道中色々岩モアリ
退屈ナクゾ歩ミ行      蟹田村ニテ昼ニシテ
帝主ハ米屋         善三郎
此村端レニ川橋有      野田村ニテ一宿致シ
宿ノ帝主ハ甚三郎      翌日爰モ五ツ立
五里程歩メハ平館      此村端レ左リノ山手ニ



矢行ヲ構ヘ爰ハ       津軽ノ御陣屋御備臺
行ケバ母衣目村ニシテ    爰ニテ昼飯イタス也
爰より三厩湊まて      道法凡二里程ト
昼ハ乱風吹来テ       村共申ニハ中々容易ナラスト云
歩ミモナラヌト云程ノ    乱風ナレ共御陣ノカタメ
風ヲヒシイテ歩行      間イナグ三厩着トナリ
宿ハ淡路屋忠兵衛ニテ    爰ノ宿屋ニ三十五人
群集ヲナシテ泊ル也     音ニ聞シ三厩トハ
案ニ相違ノ湊ニテ       商船ハ一圓ニナシ
青森南部ヘ往来船       此間ニ操テ風待斗リ
魚類ハ不多家数モ又□     後ノ山手ニ陣屋アリ
此ニ一丁隔リテ        竜馬山トテ御坂アリ
高サ四丈ノ大岩アリ      横ニ半丁厚サハ一間
立タル様ハ屏風ノゴトク    是ニ大穴三ツアリ



昔シ義経馬繋キ        それを名付テ此所
三厩湊ト申也         

□は読めないところです。危ないところもあります。
分かる方は、ご教示宜しくお願いします。

写真を見ても分かる通り、読みやすい文書ですが、読み切るのは
難しいです。
いままで、たくさんの刊本を利用させていただきました。
改めまして、古文書を解読されて刊本にした、皆さまに尊敬と感謝を申し上げます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 松前美屋景 秋田出立編 | トップ | 松前みやげ 松前の栄華 そ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事