落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

運転手の恋

2004年12月13日 | movie
『運転手の恋』
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宮沢りえの海外映画初進出作品。すっごい面白かったです。
メインビジュアルがりえちゃんだしクレジットもトップだけど実際には彼女は脇役です。主人公のタクシードライバーが一目惚れしちゃう交通課の婦警さん。でも出番は充分だし制服姿以外にもいろんなコスプレが見れてファンは結構楽しめる出来栄えだと思います。台詞は当然吹替えで、演技は日本語でやってるのでよく見るとリップは合ってないんだけど、声や喋り方がびっくりするほど本人そっくりで意外なくらい不自然さがない。
一部に「なんでこの役をりえちゃんが?」と云う声もあるよーですが、超恋愛音痴な主人公のマドンナとして彼女ぐらい“一目惚れ”するのに説得力のある記号的女優が必要だったんではないでしょーか。どんだけニブくてもりえちゃんになら惚れちゃうに決まってるでしょ、みたいなさ。
市街地でのカースタントシーンがふんだんでクルマ好きな人はもっと楽しめるだろうけど、そうでないぐりでも十分笑えました。登場人物がカメラに向かって状況説明したりする独特の演出など、ノリがとても愉快な娯楽映画。びみょーにちょっとずつズレてるキャラクター描写がもう爆笑モノです。ぐりは主人公のお父さんのスッとぼけぶりがすごく好き。
ただのお気楽ホームコメディかと思いきや、一昨年の金馬奨審査員賞受賞作。
オススメの掘出し物です。

北京ヴァイオリン

2004年12月13日 | movie
『北京ヴァイオリン』
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主役は実際に北京中央音楽学院に在籍している唐韻(タン・ユン)と云うバイオリニストのタマゴ。つまり役者ではないため演技は全く出来ないので、彼に感情移入しようとするとかなりツライ映画です。でも彼を必死に支えるお父さん(劉佩奇リウ・ペイチー)や個性的な音楽教師(王志文ワン・チーウェン)、近所に住む正体不明の派手な女性(陳紅チェン・ホン)などと云った周囲の人物の魅力でそこがかなりカバーされている。
ただストーリーのテンポがいささか調子良過ぎて、途中からだんだん胡散臭くなって来る。特に陳凱歌(チェン・カイコー)監督が有力教授役で登場したあたりからがなぁ・・・。髪の毛黒くなってて一瞬ダレだか分かんなかったよ(陳凱歌は本当はロマンスグレーである)。
でもラストシーンの幸福感は凄く良い。クラシック音楽が題材なのでつい芸術映画と勘違いしそうですが、家族向けの罪のないハッピーなエンターテイメントムービーとして観るべき作品ですね。

董潔特集

2004年12月12日 | movie
『最後の恋、初めての恋』
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演出や台詞のトーン、映像や音楽なんかは凄く好みだと思うんだけど、いかんせん物語が盛上りに欠けている。
大体、恋人を友人に奪われた挙句事故で亡くすなどと云う悲劇を経験した主人公が、今度は不治の病で余命僅かなヒロインとの恋によって再生の道に踏み出していくと云う設定自体が強引過ぎる。舞台が上海である必然性もあまり感じない。
キャスティングもイマイチ弱い。董潔や徐静蕾(シュー・ジンレイ)は役にはあっているものの市場への訴求力と云う点では渡部篤郎と同じく明らかに役不足である。台本も練れているとは云いがたい出来。話が薄いよ。要するに企画自体が未熟である。
ただ映画としてはこざっぱりとキレイにまとまってはいるし、英語日本語北京語を駆使した合作映画としては充実した完成度、役者の演技も良いと思う。ハイビジョン撮影だったようですが、映像にもデジタル臭さはあまり感じない。
可能性はそれなりに感じるのでもっとしっかりした企画で再挑戦して欲しい。
董潔は『至福のとき』よりは女の子らしく映ってます。可愛いんだけど役がごっつステレオタイプな役で・・・うーん。彼女のボーイフレンド役の陳柏霖(チェン・ボーリン)は初めて演技してるの観ましたが、なかなか雰囲気のある子ですねー。『藍色夏恋』観てみよう。


董潔特集

2004年12月12日 | movie
『至福のとき』
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80年生まれと云うから2002年のこの作品の撮影時は21歳か22歳の筈だし、役の設定も18歳となってますが全くそんな年には見えません。ガリガリに痩せこけてノーメイクで、ほとんど小学生にしか見えない。痛々しい。元バレエダンサーだからなのかもしれないけど・・・。彼女はオーディションで4万人の中からこの盲目のヒロイン呉穎役を射止めたそうで、なるほど納得の迫力ある演技を見せています。
映画自体はストーリーにリアリティが欠けていて少々冗長にも感じるし、いくら現代中国の市民生活を喜劇的に描こうとしたからってこれはないやろ・・・なイタさもあるけど、頑なだったヒロインが物語が展開するにつれて僅かずつ見せ始める笑顔には素直に心あたたまる気分にさせられるし、最後のテープと手紙のシーンは流石に泣けました。こういうとこが張藝謀のしたたかなところだと思う。
それにしても中国の国民性をここまで極端にブラックに皮肉ってしまっては売国奴呼ばわりされてもしょーがないさ。優しさと真心だけでは一旦敵に回した人民のココロは戻って来まへんて。<監督よ


ぐり的韓流チェック

2004年12月11日 | movie
『ほえる犬は噛まない』
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『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督の長篇デビュー作。
すっごく面白かったです。
いかにも小市民的にパッとしないフツーの人々を主人公にしたブラックコメディなんだけど、台詞での説明を必要最少限に抑え、適度にデフォルメされたカメラワークと緩急を上手く使い分けた編集、シンプルで的確な色彩設計によって観客をしっかりと惹きつける演出は既に新人とは思えない貫禄です。なんでも日本映画フリークらしいですが、云われてみれば北野武映画と似たトーンも多少感じる。
日本でのプロモーションデザインがなんだか可愛らしいイラストだったし、音楽も作品全体のトーンも軽妙なのでつい勘違いしがちなんだけど、よく考えてみれば相当ブラックな話です。これを笑っていいのかとためらいつつもにやりとしてしまう、そんな微妙な悲喜劇。
『美術館の隣の動物園』のイ・ソンジェが全く違った役を演じてました。今回もなんだかな・・・な男の役だけど、上手いです。彼の奥さんがTVで『八月のクリスマス』を観てるシーンがあったけど、アレってなんか意味あるのかなぁ。