『華城事件は終わっていない』ハ・スンギュン
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映画『殺人の追憶』のモデルとなった華城連続殺人事件の担当刑事による手記。
映画はもともとこの事件を舞台化した戯曲をヒントにつくられており、かなりの部分でオリジナルな脚色がされていて実際の事件とはかなり違った点も多いそうです。(詳細は映画の公式HPを参照して下さい)。
ただ読んでみて感じたのは、脚色されているとは云え映画とこの手記の最も重大な部分、最も強く訴えようとしているところは全く同じだと云うこと。すなわち、罪もない一般市民を恐怖の坩堝に陥れ、残忍極まりない手口でその尊厳を踏みにじった挙げ句、情け容赦なく命まで奪った犯罪者への激しい憤怒、次々に出てしまった被害者に対する深い悔悟、心血を注いだ捜査にも関わらず真犯人に辿り着けない焦燥感・・・と云った捜査官の熱い感情の迸り。必ずこの手で犯人を捕まえてやる、逃がすものか、決して赦すものかと云う強い思いが、映画の画面からも手記の文面からもありありと伝わって来ます。
この手記は映画が本国で公開された後に書かれています。
映画の脚色では現役警察官にとって反感を感じるような描写も多少あったようですが、被害者遺族や関係者からの抗議は一切無かったそうです。
にも関わらず著者がこの本を執筆したのは、映画のヒットによって再度注目を集めたこの事件の、映画とは異なる正確な事実を改めてつまびらかにすることで、少しでも捜査に役立てたいと云う捜査官としての使命感によるものだったようです。
手記とは云え本文のほとんどが捜査報告書のような資料文で構成されていて、結構カタイ本になっています。モノクロでモザイクかかってるけど現場や被害者の所持品などの写真資料もアリ。読みやすくはないけど事件の概要はよく分かる内容です。
時効成立まであと2年。事件の解決を心から祈ります。
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映画『殺人の追憶』のモデルとなった華城連続殺人事件の担当刑事による手記。
映画はもともとこの事件を舞台化した戯曲をヒントにつくられており、かなりの部分でオリジナルな脚色がされていて実際の事件とはかなり違った点も多いそうです。(詳細は映画の公式HPを参照して下さい)。
ただ読んでみて感じたのは、脚色されているとは云え映画とこの手記の最も重大な部分、最も強く訴えようとしているところは全く同じだと云うこと。すなわち、罪もない一般市民を恐怖の坩堝に陥れ、残忍極まりない手口でその尊厳を踏みにじった挙げ句、情け容赦なく命まで奪った犯罪者への激しい憤怒、次々に出てしまった被害者に対する深い悔悟、心血を注いだ捜査にも関わらず真犯人に辿り着けない焦燥感・・・と云った捜査官の熱い感情の迸り。必ずこの手で犯人を捕まえてやる、逃がすものか、決して赦すものかと云う強い思いが、映画の画面からも手記の文面からもありありと伝わって来ます。
この手記は映画が本国で公開された後に書かれています。
映画の脚色では現役警察官にとって反感を感じるような描写も多少あったようですが、被害者遺族や関係者からの抗議は一切無かったそうです。
にも関わらず著者がこの本を執筆したのは、映画のヒットによって再度注目を集めたこの事件の、映画とは異なる正確な事実を改めてつまびらかにすることで、少しでも捜査に役立てたいと云う捜査官としての使命感によるものだったようです。
手記とは云え本文のほとんどが捜査報告書のような資料文で構成されていて、結構カタイ本になっています。モノクロでモザイクかかってるけど現場や被害者の所持品などの写真資料もアリ。読みやすくはないけど事件の概要はよく分かる内容です。
時効成立まであと2年。事件の解決を心から祈ります。