落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

よいお年を

2008年12月31日 | diary
今年一年落穂日記におつきあいいただき、ありがとうございました。
旧ブログからの移転、パス制への移行などいろいろとご迷惑をおかけすることも多々あり、試行錯誤の一年でしたが、たぶん試行錯誤は今後も続いていくものと思われます。
どーかあとしばらく、なまあたたかく見守って下さいませ。

ではみなさま良いお年を。
また来年よろしくお願いします。


香港、憶江南にて。

2008年映画ベスト10

2008年12月30日 | movie
今年1年間に映画館で観た映画は140本余り。いくらなんでも観過ぎやろ。<自分
夏までに映画祭や特集上映に通い過ぎて食傷してしまい、秋の本格シーズンには既に息切れして観たい映画に行くのもテンションが上がらなくなってしまったのは失敗だった。
今年のトップ10では、リバイバル上映を除いてスクリーンで鑑賞した新作のうち、とくに人に観てほしい大プッシュ作10本を挙げた。本数が多くて絞るのにひと苦労しましたです。ランクはなし、順不同。


『パレスチナ1948 NAKBA』
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『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
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『靖国 YASUKUNI』
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『ぐるりのこと。』
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『告発のとき』
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『シークレット・サンシャイン』
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『ザ・クラス』
SKIPシティDシネマ映画祭2008 長篇コンペティション部門招待作品

『LOOK』
公式サイト

『僕らのミライへ逆回転』
公式サイト

『BOY A』
公式サイト



例年あまり観てなかった邦画が4本も入ったのには我ながら驚き。
しかし全作見事に単館系ばっかりやなー。そしてやはり重めの社会派作品に偏り気味。いかん。
来年は観る本数をもう少し減らして、もっとバランスのいい映画ライフにしたいなーと思いまーす。


待ち犬。築地場外市場にて。おでこにシールがついている。

2008年読書ベスト10

2008年12月29日 | book
今年1年間に読んだ本は再読も含めて100冊余り。
文芸書をたくさん読むつもりだったけど、結局ノンフィクションばかり読むことになってしまった。ノンフィクションは1冊読んでそれでおしまいというわけにいかなくて、情報の補足補完のために何冊かは同じ題材の本を読む必要があるから。
今年のトップ10では、レビューを書いたうちでとくに人に読んでほしいオススメの本10点を挙げてみた。ランクはなし、順不同。


『潜水服は蝶の夢を見る』 ジャン=ドミニック・ボービー著
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『放送禁止歌』 森達也著
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『誰が日本の医療を殺すのか 「医療崩壊」の知られざる真実』 本田宏著
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『南京の真実』 ジョン・ラーベ著
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『人身売買をなくすために―受入大国日本の課題』 JNATIP編
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『ペルセポリスI・II』 マルジャン・サトラピ著
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『丁庄の夢―中国エイズ村奇談』 閻連科著
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『累犯障害者─獄の中の不条理』 山本譲司著
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『愛の続き』 イアン・マキューアン著
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『裁判の中の在日コリアン─中高生の戦後史理解のために』 在日コリアン弁護士協会著

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うーん重いなー。重いぞー。いかんな。
来年こそは文芸書をもっと読みたいなあ。読みたい本はいっぱいあるんだよね。


香港、羅富記粥麺専家のやきそば。

やなおばさん

2008年12月28日 | diary
おばさん未満とおばさんの分かれ目年齢は?

以前、友人と話していて「(年をとると)男性と目があったときに露骨に『対象外』という目つきをされる」という話になったことがある。
世の男性諸氏はどの程度自覚されておられるか知らないけど、大抵の男の人は女性を見る目に相手を女性としてどう評価しているかが如実に表われている。それは初対面の場合にとくに顕著で、もっといえば街を歩いているとき、電車やバスに乗っているときなど、ただすれ違うときに目があう男性などが一番わかりやすい。要するにその場限り、二度と会わない相手だから油断して感情がそのまま目に出るんだと思う。もうもろに、おもしろいくらい「おっぱいはOKです」「まあまあイケてます」「あなたは僕のタイプじゃありません」「女性としてどうかと思います」「スルーすべし」みたいな評価がありありと目に出ている。笑える。

「対象外」に見られたくなくてアンチエイジングに精を出す女性も世の中にはたくさんおられるだろう。
でも実をいうと、ぐりは年をとって「対象外」になったことは割りと嬉しかったりする。何より痴漢に遭いにくくなったし(過去記事)、外見的なコンプレックスに煩わされなくなって精神的にラクになった。若いころは美人じゃないこと、スタイルがよくないことが多少はコンプレックスだったけど、年をとってしまえば外見だけでまとめてひとやまの「若い女の子」のカタマリで比較されたりはしなくなる。そんな風に勝手に他人と比べられることくらい屈辱的なことってない。これを読んでる男性がどう思うか知りませんが、男の人は絶対みんなやってるんです。周りの若い女の子をまとめてランク評価とか。女の人はみんな知ってます。あーウザイ。「おばさん」結構。「おばさん」上等でございます。

とはいえぐりもメイクやスキンケアには気をつかうし、自分なりのファッションを楽しむのは好きだ。
それは誰かに見せるためというよりは、鏡で自分を見るのが少しでも快い状態にしておきたいという気持ちの方がプライオリティが高い。誰かに見られることよりも、鏡や窓に映った自分を見てげんなりすることの方がずっと怖い。だからお金や手間ひまをかけてお肌を磨いたり、定期的に美容院に通ったりする。若くありたい、綺麗でありたいというより、女性であることを投げ出したくないから。
けどたぶん、女の人って結構みんなそうなんじゃない?とも思う。モテるためとか「可愛い」「綺麗だ」といわれるためにオシャレをするという女性は実際それほどいなくて、みんな自分で自分を飾っておもしろがりたいんじゃないかなー?
だってホントにおもしろいもんね。女の外見って手をかければかけるほど、ちゃんと結果が出るんだもん。

ところで、相手がおばさんでも胸だけは評価対象に入るっていう男性もときどきいるよね。
ぐりは胸のサイズは小さくはない方なんだけど、顔じゃなくて胸を凝視する男の人はいくつになっても結構多い。たまに「アタシの目はおっぱいについてんのか?」ってくらい、胸ばっかり見て話しかけてくる阿呆もいる。あまりにもその視線がしんどいので近年は極力胸が目立たない下着をつけているのだが、これって女性を投げてることにはなるのかな?と自分で疑問を感じないこともない。
どうでしょう。


横浜・萬珍樓點心舗のライチ風味のレアチーズケーキ。

日本語のルール

2008年12月27日 | lecture
哲学者・野矢茂樹教授の無料講演会「日本語は非論理的か」に行ってきた。

97年に刊行された『論理トレーニング』の著者でTVにも出演されておられるという野矢教授だが、不勉強なものでぐりは名前くらいしか聞いたことがなかったんだけど。
ちょーおもしろかったっすー。いやー。いいですねー。キャラが(笑)。男前だし(爆)。あ、お話も素晴しいんですけども。
今回のテーマは「日本語は非論理的か」。何も考えずに「日本語は非論理的」と肯定してしまいたくなるようなシンプルなテーマを、論理的見地から分析したお話。

どういう講演だったかはちょっとぐりの文章力ではうまくまとめきれないんだけど、結論をいっちゃうと
・日本語で「論理」を説くことは可能=非論理的ではない
・言語そのものを指して論理的か否かを問うのはおかしい=非論理的とはいえない
・確かに日本語の使い方には非論理的な部分もある=使う側の問題
ということになる。
つまり、「日本語は非論理的」という言い方が非論理的、ってことっすね。

ぐりは哲学や論理学を学んだ経験はまったくないんですっごいテキトーに書いちゃってますけど、論理学って言葉のルールを体系的に追究する学問で、そこに入る題材は重要じゃないんだよね。
そういう学問が何のためにあるかっていうと、言葉の持つ力を最大限に効果的に発揮させるためだったりする。
どんな受け手にも極力負担をかけずに、こちらの主張をできるだけ正しく理解してもらうためのルールが「論理」。論理的になることで言葉の力を目覚めさせる、と教授はいってました。論理的でなくても意味が通る言葉はもちろんあるけど、どんな受け手にも誤解させない言葉なら、より多くの受け手に正確に主張が伝わる。
論理的な言葉は、初心者のために登山ガイドが山に設置する道標のようなもの。道標が効果的であればあるほど、登山者は安全に楽に頂上を目指すことができる。

なるほどと思うお話がこってり満載でとっても楽しい講義だったんだけど、「非論理的な日本語」も好きなぐりとしては、「(どんな文章も)読んでわかったような気になってはいけない」とか「こちらの言葉をわかってくれない相手にたくさん出会って、わかってほしいと切実に願い、努力するべき」という、論理の精神論の方にもすごく共感しましたです。
今まで著作は一冊も読んだことがないけど、これから読んでみたいと思いまーす。


マカオ、媽閣廟にて。