『アザー・ハーフ』
弁護士事務所で書記として働く小芬(曽暁菲ツァン・シャオフェイ)は毎日毎日町中のさまざまな人たちのトラブルを記録しつづけの毎日でヘトヘト。同棲中の恋人(鄧剛ドン・ガン)は飲んでばかりでいっこうに定職に就かず、見兼ねた母親は有力な縁談を持ちこんでは娘に結婚を迫る。
ぐりは応亮(イン・リャン) の作品は今回初めて観たんですがー。
いやおもしろい。すごいおもしろかったです。なんとゆーか、スタイルが独特で。
とりあえず画面構成がすごいオシャレ。基本は固定のドン引きでカット割りもなるべくなし。方法論としては『1978年、冬。(仮題:思い出の西幹道)』なんかといっしょですね。俳優に演技を許さない撮り方。だからイヤでも臨場感満点にならざるを得ない。弁護士事務所のシーンでは人物はひたすらカメラに正対して延々と手前勝手に喋りまくるし、観客は自然とヒロインのストレスをいっしょに体験することになる。
ヒロインとその恋人、つまりいちばん核となる登場人物にはほとんど台詞らしい台詞はなく、いってみれば物語の狂言廻しのようなキャラクターなのだが、このカラッポなふたりを通して現代中国の孕んだ深い不安感がじわじわと迫ってくるのがこわい。ほんとうにいつの間にか、気がつけばすぐそこに、という感じで迫ってくるのだ。そしてクライマックスで文字通り「爆発」する。
一見するとこの映画で起きることは言論統制の厳しい中国ならではの現象のようにも見える。
だが実際にはどうだろう。
言論の自由が保証されているという日本では、絶対にこういうことは起きないと果たしていいきれるだろうか。よしんば今すぐには起きないとしても、この先も決して起きないといえるだろうか。
アメリカでは?ヨーロッパでは?
そんなことはわからない。そういう意味ではこの物語は確かに普遍的かもしれない。でもそれと同時に、急激な近代化に対して現代中国人が抱く漠然とした不信感もすごくよく表現されてるなと思いましたです。
惜しむらくは、ポスプロ段階でフィールド設定を間違えたのか、画面にずーっとフリッカーがぶりぶりぶりぶり出ていたこと。
とっても繊細なニュアンスを表現しているはずの画面なのに、ずーっとぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶり。もったいねええーっ。
しかしこの映画、なんでタイトル『THE OTHER HALF(夫、妻、伴侶の意)』なんやろ?よくわからなかった。あとヒロインがやたらに「章子怡(チャン・ツィイー)に似てる」っていわれまくるのはアレはギャグなんだよね?イマイチ笑っていいのかなんなのかビミョーなギャグでしたけども・・・。
弁護士事務所で書記として働く小芬(曽暁菲ツァン・シャオフェイ)は毎日毎日町中のさまざまな人たちのトラブルを記録しつづけの毎日でヘトヘト。同棲中の恋人(鄧剛ドン・ガン)は飲んでばかりでいっこうに定職に就かず、見兼ねた母親は有力な縁談を持ちこんでは娘に結婚を迫る。
ぐりは応亮(イン・リャン) の作品は今回初めて観たんですがー。
いやおもしろい。すごいおもしろかったです。なんとゆーか、スタイルが独特で。
とりあえず画面構成がすごいオシャレ。基本は固定のドン引きでカット割りもなるべくなし。方法論としては『1978年、冬。(仮題:思い出の西幹道)』なんかといっしょですね。俳優に演技を許さない撮り方。だからイヤでも臨場感満点にならざるを得ない。弁護士事務所のシーンでは人物はひたすらカメラに正対して延々と手前勝手に喋りまくるし、観客は自然とヒロインのストレスをいっしょに体験することになる。
ヒロインとその恋人、つまりいちばん核となる登場人物にはほとんど台詞らしい台詞はなく、いってみれば物語の狂言廻しのようなキャラクターなのだが、このカラッポなふたりを通して現代中国の孕んだ深い不安感がじわじわと迫ってくるのがこわい。ほんとうにいつの間にか、気がつけばすぐそこに、という感じで迫ってくるのだ。そしてクライマックスで文字通り「爆発」する。
一見するとこの映画で起きることは言論統制の厳しい中国ならではの現象のようにも見える。
だが実際にはどうだろう。
言論の自由が保証されているという日本では、絶対にこういうことは起きないと果たしていいきれるだろうか。よしんば今すぐには起きないとしても、この先も決して起きないといえるだろうか。
アメリカでは?ヨーロッパでは?
そんなことはわからない。そういう意味ではこの物語は確かに普遍的かもしれない。でもそれと同時に、急激な近代化に対して現代中国人が抱く漠然とした不信感もすごくよく表現されてるなと思いましたです。
惜しむらくは、ポスプロ段階でフィールド設定を間違えたのか、画面にずーっとフリッカーがぶりぶりぶりぶり出ていたこと。
とっても繊細なニュアンスを表現しているはずの画面なのに、ずーっとぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶり。もったいねええーっ。
しかしこの映画、なんでタイトル『THE OTHER HALF(夫、妻、伴侶の意)』なんやろ?よくわからなかった。あとヒロインがやたらに「章子怡(チャン・ツィイー)に似てる」っていわれまくるのはアレはギャグなんだよね?イマイチ笑っていいのかなんなのかビミョーなギャグでしたけども・・・。