落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

春の日は過ぎゆく

2004年12月18日 | movie
『春の日は過ぎゆく』
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劇場に二度観に行って二度とも号泣させられた(そしてDVDも買った)『八月のクリスマス』のホ・ジノ監督の作品。
『八クリ』とよく似てとてもとても静かで穏やかな、まるで心をそっと優しく温かく撫でさするようなラブストーリーです。登場人物の年齢が『八クリ』より上がっているせいもありいささか全体の雰囲気が落ち着き過ぎているような気もしなくもないし、観る人によっては地味と云うか退屈に感じるかもしれないけど、これはこれで作品の個性とも云える。
主人公サンウは無口でおとなしい録音技師と云う設定だし、たぶん作品を観る一般の観客も「録音技師って静かな職業だなぁ」と云うイメージを持つと思うんだけど、ぐりの個人的経験から云うと録音部さんは気が荒くて男クサイ、ちょっとコワイ人が多いです(笑)。圧倒的に男性が多いし、完全に体力仕事だし。
そういう先入観もあってサンウがちょっと優しすぎて頼りなく感じるところもなくはない。でもひたすら誠実な彼をあくまで拒否し他の男性との恋を選ぶウンスの気持ちの方がすぐにはなかなかつかめず、それが監督が訴えたかった「恋の苦しみ」の表現なのかなと思いました。
『八クリ』と同じくやはり映像がとても綺麗。昔の日本映画みたいな(小津とか溝口とかそういうの)、しっとりと大人な恋愛映画です。

ウンス役のイ・ヨンエは声が素晴しい。鈴を転がすような美声とはまさに彼女のような声を指すのではないでしょうか。聞いてるだけで泣きたくなってくるくらい、愛らしい声の女優さんです。
サンウ役のユ・ジテは韓国ではめちゃめちゃ人気あるみたいですが、なるほどプロポーションは良いですよ。かっこいいよ。でもひと目見て「はっ!!」と驚くようなあからさまなかっこよさではなくて、一見普通の良い人っぽいんだけどよくよく見るとなかなか男前、ってとこが役者らしくてええやないですか。
『八クリ』のハン・ソッキュと云いユ・ジテと云い、ホ・ジノさんは癒し系男優がお好みなのでしょーか。