落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

懐かしのりぼん時代

2004年12月01日 | movie
『ハウルの動く城』
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もーおメチャクチャ混んでました。今日は映画サービスデーだったしね。それにしても親子連れからマダムグループからカップルまで、ありとあらゆる観客が来てました。しかし小学生はまだ学校あるやろーが。午前中の回にそんなガキ連れて来るかぁちゃんがおるってどないなっとるねん。
んで話の内容について来れなくなって、途中から騒ぐ騒ぐ。うるせーよ。

まぁでも面白かったよ。
ぐりは小学生の頃、月刊コミック誌『りぼん』を購読してたんだけど、その時代の気持ちを思い出しましたね。恋愛がまだまだ遠い幻、ファンタジーの世界のものとしか思えなかった頃のこと。憧れの男の子に口をきくことも出来なくて、じっとまっすぐ見つめるのさえ恥ずかしかった時代のこと。
要するにオトメなんですわ。話も世界観もキャラクター描写もプロダクションデザインも、全てが見事にオトメ色一色です。ぐりはキライじゃないよ。いやむしろ好きだね。ここまで徹底してオトメを追求するその姿勢が潔いではないか。天晴れ。
声優陣も素晴しい。美輪明宏のキャラがスゴイっす。倍賞千恵子さんは声カワイイっすね。ハマってましたよ。主題歌も良い雰囲気。
キムタクもしっかり“オトメの夢の王子様”になりきってました。て云うか声優向いてるよこの人。だって見てるうちにその声があのキムタクだなんてことさっぱり忘れちゃうもん。とってもナチュラルだし、綺麗で深みのある良い声だと思う。あまりにヒロイックな台詞に照れてるような部分もなくはないけど、それもキャラの一面として溶けこんでるように感じる。

たぶん、このお話って女の子みんなが夢見る「お姫さまと王子さまのラブストーリー」をソフトな冒険譚にコンバートした物語だと思うんだけど、それだけに設定や背景に関する説明が物凄く少ないです。これまでの宮崎アニメといちばん違うのはそこですね。観客が全体的な世界観を見渡せるようなシーンや台詞がほとんど出て来ない。なので観る人によっては複雑に感じたり分かりにくかったりすると思うんだけど、ぐりはただ画面に出て来る風景の美しさや可愛い脇キャラに喜んだり、ソフィーと一緒にハウルに恋したりしてるだけで充分楽しめたし、そもそもこの作品はそういう、誰にでもあったあどけない純粋無垢な恋心を懐かしむための映画なんじゃないかと思います。それだけで良いじゃありませんか。

ただ今日観た劇場は画面も小さかったし音も良くなかったし客層もイマイチだったので、機会があればもっと良い環境で再見したい。
それくらい、映像と音は綺麗だし、それを観るだけでも一見の価値はある作品だと思います。