落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

ションヤンの酒家

2004年12月10日 | movie
『ションヤンの酒家』
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また不幸ヒロインもの。
『山の郵便配達』の霍建起(フォ・ジェンチィ)監督作だからと思って借りてみたけど、やっぱりお約束のお話。
なぜ中国映画では独身女はこうまでとことん幸せになれないのだろう。ただこの映画では結婚さえすれば幸せになれる訳ではないと云うエピソードも盛り込まれてるところがミソかもしれない。
それにしてもラストシーンで泣かすなよな〜。どれだけしょっぱい目に遭ってもへこたれない、彼女なりに前向きに生きてるヒロインが最後に泣くって、そりゃ失礼じゃないですか。世の女性に対してさ。別に私は映画に出て来る女性みんながみんな強くなきゃいけない、ハッピーエンドじゃなきゃいけないとは云わない。そんなことはさらさら思わない。でもあの涙はちょっとないよ。一気に作品全体が安っぽくなってしまう。
主役の陶紅(タオ・ホン)て年齢不詳です。『ビヨンド・アワ・ケン』の役柄から20代かと思ってたらこの映画ではどうも30くらいの設定だし(中国映画のキャスティングって役者の実年齢とかなりズレてることが多いんだけど・・・)、キャリアからみても30過ぎくらい?生年が公表されてないのでホントのとこいくつなのかは分かりませんが、まぁそんなこたどーでもいっか。

殺人の追憶

2004年12月10日 | movie
『殺人の追憶』
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圧巻です。
去年国内外で各賞を総ナメし、韓国では記録的なヒットのみならず社会現象まで引き起こしたそーですが、まさになるほど納得の出来栄え。
実在の未解決事件をモデルにしているため最初から結末が分かっているのに、最後まで観る者を飽きさせない。
捜査を続けるうち、残忍だが冷静沈着な手口や赤い服を着た被害者、雨の夜のラジオのリクエスト曲と云った犯行の規則性に慣れ、目に見えない犯人に徐々に自分が近づいていくような感覚に陥る捜査員たち。にもかかわらず目の前にいる筈の“彼”に手が届かないまま次々に事件が起きてしまう。確保した容疑者の無実が証明されるたび、無惨な犠牲者に直面するたびに彼らを襲う無力感と激しい怒りが観る者の胸を締めつける。
無常観たっぷりのラストシーンがまた効果的。
犯罪は決して赦されるべきでないと云う静かだが強烈なメッセージ性、当時の世相をさりげに反映したドライな世界観、抑えたカメラワーク、絶妙なキャスティング、美しい音楽、どこと云って文句のつけようのない第一級のクライムサスペンスです。
監督が若くて驚きました。今度『ほえる犬は噛まない』観てみよっと。実際の担当捜査官の手記『華城事件は終わっていない』もチェック。