『GANTZ: PERFECT ANSWER』
1月に公開された前編
『GANTZ』の後編。
幼馴染みの加藤(松山ケンイチ)をミッション中に失った玄野計(二宮和也)は、加藤の弟・歩(千阪健介)のために100点稼いで加藤を生き返らせようとミッションでの積極的な戦闘を続けていた。
一方、玄野に思いを寄せる同級生の小島多恵(吉高由里子)は、ひとりぼっちになった歩を通して玄野との距離が近づいていく。
そんな中、GANTZメンバーをつけねらう謎の黒服集団や、加藤に瓜ふたつの凶悪な偽物まで現れ、一般人をも巻き込むこれまでにない苛酷なミッションが課せられ、玄野らはGANTZの異変に戦く。
連載中の原作コミックのストーリーから離れた、オリジナルのエンディングで描くSFアクションエンターテインメント。
あのー。すごかったです。
アクションが。
邦画でSFアクションエンターテインメントってあんまし馴染みがないような気がしますが、『GPA』では思いっきりやっちゃってくれてます。もう気持ちいいくらい。景気よく。やりきってます。
ぐりはアクションとかSFは好んで観る方ではないけど、記憶にある限りでは『VERSUS(2000/北村龍平監督作品)』以来の豪快さです。って喩えがマニアックでごめん。これマジおもしろいから機会があったら観てね。
他の作品のことはさておき。
『GPA』のアクション、スゲーっす。前編もけっこうスゴかったけど、分量的にも派手さにおいてもまったくレベルが違う。このアクションは相当見応えあります。
確か前後編同時撮影で6ヶ月かかったとか聞いたけど、これはかかるわ。こんだけやってたら。だってめっちゃ凝ってるもん。アクションだけで一見の価値は十分だし、実際観て満足感がハンパないっす。
つーてもぶっちゃけアクション以外はあんま観るとこないです(爆)。
スイマセンね身もフタもなくてねえ。でもねえ、シナリオはボロいね。邦画の娯楽作品てそーゆーの多いけど。まー会話がいちいち白々しくて背中カユいカユい。
ストーリーそのものはめちゃめちゃ頑張ってる感あるけど、それで力尽きちゃったのかなあ。
あと前作もそーだったけど必要以上に画面が暗くて観づらい。先日前編の別編集版的なドラマ
『ANOTHER GANTZ』がTVで放送されてたけど、TVで観るとスクリーンで見えなかったとこが結構見えて、あーこれはデジタルで編集してるからこーなっちゃうのねってことが発覚してしまった。
けどフツーはそれでも編集後に露出調整くらいやるもんだけどね。そのへんどーなってんだろね。なぜにここまで暗いのかはやっぱ意味不明っす。
主演の二宮くんはやはり素晴らしい。もう惚れそうです(爆)。それくらい素晴らしい(大絶賛)。
なんつーかね、「大体こんな芝居でくるやろー」という予想があるじゃないですか。すっごいいっぱい作品出てるから。なんとなく。確かにそこは外さないの。期待通りくるわけ。そしてかつそれを軽く飛躍的に超越してくる。これはビックリする。シーンごとに「おおそう来るか」という驚きがある。ビックリします(2回いってみた)。
華奢で繊細そうでアクション俳優というイメージはないけど、どうしてどうして、華麗な運動能力をばっちりご披露されておられます。
松ケンは今回二役という難役を演じた割りにはさほど印象的でなかったのはなぜでしょー?散漫になっちゃったのかな?なんか二役とも平板なんだよね。両者の対比はきちっと出てたから、本人のスキルとゆーよりは演出側の問題のよーな気もしなくもないですが。なんか気の毒ですけど。
モデル役とゆー設定の伊藤歩がまったくモデルにみえないのも気の毒だったね。もっと綺麗な人のはずなのに、全然そう見えないの。そこ超消化不良よ。
後編のキャラでインパクトあったのは黒服:壹役を演じた綾野剛くんだね。ここは間違いないっす。やってもやっても死なない不気味な星人を、思いっきりクールかつキモく演じきっておられました。今まで知らなかったけど、今後注目の俳優さんです。
今の日本映画でコミック原作&アイドル主演でもここまでやれます、という意味で邦画の今の最先端を象徴する作品かもしれない。
前編を観てないとゆー方は先日放送された『ANOTHER GANTZ』のディレクターズカット版DVDが5月13日に出るので、それをチェックしてから劇場に行くとゆー手もあります。
殺しあいに善悪などないというテーマになっているので、わかりやすい勧善懲悪的なカタストロフではないけど、それでも爽快感は十分味わえるだけのフルアクションになってますよん。