ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

流行犬あれこれ 前編 <ワンコの物語 4話>

2011-10-09 | Weblog
こま犬は適当な距離を置いてこそ収まりもしますが、近所の石材店では2匹が鼻付き合わせています。決して広くはない店の展示スペースの加減のためのようです。店入り口の両サイドでなく、店先の片側に鼻をくっつけて置いておられる。いまにも相手に噛みつきそうな勢いで、おおいに迫力がある。
 狛犬にも流行があります。古い時代、ライオンなどみたこともないころに造られたコマイヌは、自由に発想した獅子の姿を描いている。ところが戦後、個性に乏しい「こまやん」タイプとよばれる金太郎飴のごとき姿の連中が激増しました。

 わが家では、京都に移住してから2匹の犬を飼いました。二代目が問題の、失踪中のココ。初代がチョコ。このブログを書きはじめたのは4年前のチョコのお葬式の夜でした。15歳の誕生日の少し前です。そしてブログタイトルを本日変更したのは、ココ失踪のショックのためです。

 初代のチョコは中型犬で散歩が大好きでした。休日の朝夕にはいつも、近所の小畑川沿いをいっしょに歩くのが日課でした。自動車の走らない小道なので、いつもともに、伸び伸びと歩いたものです。
 半時間ほどかけてお決まりのコースを一周するのですが、毎日たくさんの犬たちとその飼い主にお会いする。「チョコちゃんのお父さんですか。いつもお世話になってます」とよく声をかけられました。愛犬の友人たち、友犬もほぼ覚えましたが、ほとんど全員が純血種です。チョコは雑種。新京極サカエの向いにあったペット屋さんで、貰い手もなくさびしそうに最後まで残っていた無料の子犬でした。しかし近所のどの犬よりも、敏捷で賢い。子煩悩の類いでしょうが、本当に賢い犬でした。ココも同様です。

 日本で純血種が庶民に注目され出したのは、昭和30年代以降のことでした。スピッツやコリー、そしてシェパードなどが子どもたちの憧れの的でした。なかでもスピッツは一時、大流行しました。庶民の生活に余裕がうまれたころ、ハーフやクォーターのスピッツが町や村のあちこちにいました。彼らはよく吠えた。番犬としてはたいへん優秀な犬でしょう。しかしうるさいなき声が嫌われ、スピッツは幻の名犬とまでいわれるほどに激減します。ところがずいぶん後になって、吠えないスピッツがつくられました。静かなスピッツとは少し悲しいですが、1万年以上もの長い年月をかけて、さまざまの犬を品種改良して来た人間のあくなき欲望や商売根性はすごい。
<2011年10月9日 続く>
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