ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

京の夏バテ

2008-08-03 | Weblog
 バテました。暑さもありますが、理由はさておいて、「バテる」は、不思議な言葉だと思います。辞書をみても、バテにあたる漢字はなく、<ばてる>という仮名表記です。意味は、暑気や疲れのために、ぐったりする、元来持っている能力を失う状態になる。
 どうも<はてる>に、点々がついて<ばてる>になったのではないでしょうか。<果てる>は、終わる、失せる、死ぬの意味。「バテた」「バテそう」は、死にそうに近い意味になるようです。

 また思いますのが<ケガレ>です。漢字では、穢れ、汚れが当てられるために、本来の意味がわからなくなっていますが、ケガレは本来<気枯れ>であるという説があります。わたしも賛同します。
 <気>(き・け)は、元気、活気、気力、気丈などの気で、エネルギーです。空気、気配、気流、気分、気息、気脈、心気、生気など、エネルギーとかかわる語で、力のもとになり、眼には見えない粒子なり流れ、周りを覆い包み込むもの、そういった意味が<気>にはあるようです。
 元気のもとの気が枯れる、水には涸れるの字が当てられますが、同じく減ってなくなりそう。<離れる>も<かれる>と読みます。魂が離れる、です。

 <ケ>は<気>ですが、け<褻>でもあります。<ハレ>と<ケ>の<褻>です。晴れ<ハレ>は、祝いや特別の晴れ晴れしい日やこと。褻はふだんの日常、ごく当たり前の、平穏な状態なり日々。
 エネルギーの枯渇や乱れなどによって、秩序のとれた日常性がバランスをくずす。それは個人にも共同体にも起こります。
 当然ながら昔、ケガレを排除しようとする祈祷なり医療、儀式や祭などの行動や工夫が起こったことでしょう。ケガレに穢れや汚れという漢字を当てたのは、適切ではないと思います。カタカナがいちばんです。
 ケガレは、気や褻の枯れで、元気がバテることなのでしょう。

 「京」とは無縁の<夏バテ>話です。暑中お見舞い申し上げます。
<2008年8月3日>
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヒトとタバコ はじめての出会い | トップ | 夕立 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事