ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

クマゼミの北上

2010-08-11 | Weblog
 クマゼミが毎年、日本列島を北上しています。本来は、暑い地を好む南方系のセミです。地球温暖化の影響でしょうか?

 1995年環境庁「第5回緑の国勢調査」によると、生息地の北限は、日本海側では京都府北部。太平洋側は千葉県だが、神奈川県と東京都で広がりつつあると、報告されています。
 http://www.biodic.go.jp/reports/5-2/n001.html

 それから10数年たった2008年、ウェザーニューズ社の調査では、日本海側では福井県までだったのが、金沢市でみられるようになった。関東では茨城県から福島県郡山市に達した。そして翌09年、福島市で鳴き、石川県では各地でみられる。
 http://weathernews.com/jp/c/press/2009/090909.html

 クマゼミはどれほどの距離を飛ぶか? 捕えたセミの羽に印をつけ放すマーキング追跡調査では、せいぜい数百米までのようです。彼らはあまり移動せずに集住し、互いに鳴き叫ぶのを好むようです。
 わたしの住まいは集合住宅の5階。今朝ベランダで、ボーッとクマゼミの声を聞いていました。高い木よりさらに高い位置から見ていますと、セミは結構飛ぶものです。ほとんどがクマゼミでしょうが、アブラゼミもいくらかいるかもしれません。
 同じ木の別の枝に飛び移る。隣かすぐ近くの木まで飛ぶ。なかには数10米ほど離れた樹まで飛んでいます。しかしその向こうは竹林。彼らには住めない地帯です。

 あまり遠距離を移動できないクマゼミの急速な北上の原因は、おそらく人為によるのでしょう。いちばんは植樹。公園や街路樹など、植木屋さんが運び植えた樹の根元に幼虫がついて来る。トラックで数10キロでも移動します。
 ブラックバスやブルーギル同様に、だれかが成虫か、卵か幼虫を、遠方まで運びこんだ可能性も、否定できない?

 このまま北上が続けば、東北や北海道でも、シャワシャワ大合唱が聞こえるようになるのでしょうか? 
 しかしクマゼミは本来、南方系のセミです。夏夜間の低温には成虫は耐えられない。また冬季の降雪や冷たい土のなかでは、幼虫が育たないのではないでしょうか。本州西部でも内陸部では、ほとんど見られません。
 クマゼミ北上は、どこで止まるか? 興味深いセミです。
<2010年8月11日>
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