ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

タケノコ不作!?

2013-04-23 | Weblog
故郷の播州に竹林があります。そこそこの広さですが、たくさんの枯れ竹、倒竹に覆われた荒廃した藪でした。それを正月から整備し、数か月かけて見違えるほどの美林に仕立て上げました。自慢の竹林に生まれ変わったのですが、桜花の後に出るべきたけのこが一向に顔を出しません。わたしの母親など「あまりにきれいな竹林になったので、竹が驚いているのではなかろうか」
 これまでに何人も、総勢のべ20数名がタケノコ掘りに向かいましたが、一度の挑戦で数本の成果! のべ20本程度しか獲れないのです。平年のわずか1割程度の収穫です。周辺の竹林も同様で、ふるさとの古老は「これほどの不作は経験したことがない」。嘆声が渦まいています。

 原因を聞くと、いちばんは寒いからだという。3月の桜の前にかなり温度の高い日がありましたが、それも数日だけ。以降は平年を下回る寒い春が続いています。また雨量が少なかった。久しぶりに20日は夜から雨だったのですが、小雨のようなものでした。そしてネットをみると、昨年の夏からの天候気温が影響しているという。昨夏は暑かった? 雨量は? とっくに忘れています…。
 竹林の地下はどうも母体のようです。竹の子の卵は前の年の夏、地中の胎内に誕生する。そして8カ月ほど土のなかで育まれ、翌年の春にオギャーと生れるのが八百屋やスーパーに並ぶタケノコなのですね。天候と胎内、ふたつの要因が大きく影響しているということを、今回はじめて知りました。また京都の竹林をみていると、栽培者の愛情も大切です。

 たけのこの多寡は、年によって裏と表があり、今年は完全な裏年だそうです。それも数十年ぶり。もしかしたら周りの孟宗竹林がすべて枯れる前兆かしらと心配になってしまいます。何十年か百年ほどに一度、総枯れが起きるのが竹林の宿命です。あらぬ心配をしてしまうほど、今年の筍の出は異常に少ないのです。

 ところで4月29日には、はるばる滋賀県から友人家族が、タケノコ掘りツアーで姫路まで来られます。筍掘りは初めての体験らしく、ずいぶん楽しみにしておられる。果たしてひとり数本ずつでも獲れるかしら。期待を裏切れないので、スーパーで何本か買って土のなかに埋めておこうか、などと悩んでいます。
 今朝、故郷からまた電話があり「近所のTさんは、寒いのがいちばんの原因と言っている。暖かくなれば必ず出ます。今年は例年よりも遅れているだけ。本数はいつもより少ないでしょうが、今月下旬から採れますよ」
 この予言を信じるしかない。そんな思いの今日このごろです。スーパーへの買い出しが中止になればよいのですが。
<2013年4月23日 南浦邦仁>
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