ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

タバコ余話

2008-07-20 | Weblog
 タバコ自販機に必須のタスポカードがはじまって、愛煙家も町のタバコ屋さんも、みな迷惑をこうむっていることは、前に書きました。その後、タバコをめぐる周辺は話題騒然です。
 ひとつには消費税率アップを、福田首相が話したことにはじまります。自民党にしても、支持率の低下しているいまごろ、消費税率発言はタブーです。急遽、タバコを千円に値上げしようという話にすり替えられてしまいました。
 「外国では一箱千円くらいが当たり前。税収は増えるし、禁煙者も増加する。一石二鳥である」てな論理なのでしょう。
 タバコをたしなまない方には分からないかもしれませんが、現在一箱300円が主流。三倍以上への値上げです。ガソリンやトウモロコシの値上がりどころではありません。
 いま外国に行っている方にメールで「タバコはいくら?」と聞いてみました。「値段は地域や銘柄、国産や輸入物などでさまざまですが、600円台が多い」。カナダからの便りです。
 一箱1000円になったら、どうするか? 愛煙家に聞いてみましたが、まず「禁煙する」。量を大幅に減らす。指がヤケドしそうになるまで、意地汚く吸う…。さまざまの答えが返って来ました。
 いつも寄るタバコ屋のおやじさんは「外国で偽造された、国産の本物そっくりのタバコが密輸されてくるでしょう。昔、偽セブンスターが大量に出回ったことがありました。1000円なら、彼らはまた同じことを企むに違いありません」。味がまずまずで安ければ、それらを求める愛煙家は増えるでしょう。
 それから最後の一手は、タバコの種子を手に入れ、土で育てることです。自分好みの味のタバコをつくれる。これがいちばんだと思います。ところがタバコ栽培は法律で禁じられています。いまの六法全書にも載っていない、マイナーな法律があります。「日本たばこ産業株式会社法」「たばこ事業法」「たばこ税法」、たばこ三法とでもよぶのでしょうか。
 昭和60年に専売制・専売公社制が廃止になったのに、タバコを勝手に栽培することも、吸うためのタバコをつくる行為も、日本たばこ産業株式会社にしか認められていないのです。
 たばこ産業会社法は、だいぶ前、まだ六法全書に記載されているころに読んだことがあるのですが、タバコの栽培も、自己喫煙用の製造も、ともに重罪です。大麻やアヘンケシではあるまいし、国家の独占は憲法違反なのではないでしょうか。悪法です。
 さてこのような無駄話をあれこれ考えていたところ、昨日の新聞では「タバコは300円から500円に! 一本10円の値上げか」。こんな記事が出ました。1000円でなく半値の500円! 千円でわれわれを驚かせておいて、結局はその半値で、ほっとさせて結論付ける。実にずるいやり方です。といっても値上げ率は66%です。
 これなら禁煙断行者も少なく、税収も1.5兆円ほど増えると試算しておられる。密造密輸もだいじょうぶという計算であろうか。
 話が京から無縁になってしまいましたが、京都のタバコ話をひとつ。タスポのはじまった6月1日の同日は、京都市の新条例が開始された記念日でした。町の中心部での路上喫煙が禁止になったのです。違反すれば、過料千円を支払わねばならぬ。監視員は五名、6月1ヶ月間の違反者は88人。数人が逃げ、また何人かがあわてて火を消して知らぬふりを決め込んだそうです。
 たかがタバコ、されどタバコ。いったい煙草とは何なのか? いちど調べて考えてみたいと思います。禁煙のことは別ですが…
<2008年7月20日 煙中居>
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