「アベノミックス」三本目の矢である、「成長戦略」がいよいよ軌道に乗り出した、なんて大マスコミが言ってるけど・・・
ところで、以前こんなことを述べたことがある。
菅直人首相(当時)が国家戦略担当大臣時代、自民党のある議員(茂木 現経済産業大臣のこと)の、「成長戦略」に関する質問に対し、こう「切って捨てた」ことがある。
『前政権時代に、「成長戦略」と称し、この10年間に10本を超える施策が出されたが、何一つとして成功した例はない。』
はっきりいって、「その通り」なんじゃないかな。
道新も、「三本目の矢」である成長戦略に疑念を抱いている。
成長戦略 決め手欠き道筋見えぬ(4月22日)
安倍晋三首相がデフレ脱却に向け、金融緩和、財政出動に続く「第3の矢」と位置付ける成長戦略の輪郭が見えてきた。
首相は19日の会見で成長戦略の柱として、医療産業の育成や女性の雇用拡大などを訴えた。
また政府は成長戦略の一環として、規制緩和や税制優遇に取り組む「国家戦略特区(アベノミクス戦略特区)」を東京、大阪、愛知の三大都市圏に設ける検討を始めた。
本来、3本目の矢は広く民間投資を喚起して、雇用の受け皿を整備する狙いのはずだ。だが戦略には、その柱が見当たらず、小粒の施策の寄せ集めとの感がぬぐえない。
大都市圏に偏重した戦略特区は、北海道など地方との経済格差が一層拡大する恐れもある。政府は6月に成長戦略を取りまとめるが、地方にも目を向け、抜本的に練り直してもらいたい。
安倍首相は、医療分野では再生医療の実用化などを推進する方針を掲げ、女性の雇用拡大では保育所の待機児童の解消を目指すとした。
それぞれ前向きの取り組みとして評価できるが、長期低迷が続いてきた日本経済の再生には、簡単には結び付かないだろう。
例えば、再生医療の核となる人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、がん化の恐れも指摘され、安全性や有効性の確認には時間がかかる。実用化は10年以上先だ。
女性の雇用拡大には育児支援などとともに、受け皿となる産業分野の育成が欠かせないが、具体的な道筋は示していない。
海外からの投資呼び込みなどを目的とした国家戦略特区にも、首をかしげざるを得ない。
例えば東京では、地下鉄などの都営交通の24時間運行を検討する。だが、どれほどの経済効果が見込まれるのか。24時間運行は保守・点検の時間が制約され、安全面がおろそかになりかねない。
大阪では、法人税の大幅引き下げを検討するというが、他地域から「不公平だ」との不満が噴き出すのは必至だろう。
特区制度は小泉純一郎政権下の2003年に始まり、民主党政権時代の11年には税制・財政などの支援措置も施す総合特区が加わった。
だが、中央省庁の縦割りなどが壁になり、必ずしもいい成果を生んでいないのが現実だ。
円安株高で上向き始めた日本経済を成長軌道に乗せるには、企業の投資を促す環境整備が重要だ。
脱原発に向けた再生可能エネルギーの産業化や食品加工の高付加価値化など、地方に波及効果の大きい投資も後押しする戦略を求めたい。
要するに、小泉・安倍・福田・麻生と連なる、自民下野直前の内閣時代に出された政策がまたぞろ出てきたのが、「三本目の矢」ではないのか。
それで、上記4内閣時代にだされた「成長戦略」って、果たしてうまくいったケースってあったっけ?
以前は「失敗」したが、今度は「うまくいく」、なんて思って出してきたんじゃないだろうな。
しかも、道新の社説を見る限り、具体的にいつまでにこうする、といったものが見当たらない、という点についても、過去の自民党を中心とする内閣が出した「成長戦略」とダブって見えてくる。
民主党の「マニフェスト」の場合、はっきりいって、役人や財界、加えて大マスコミはもとより、自民党(公明党)の「前与党」に都合が悪い政策が少なからずあったため、「力づく」(例えば、「世論調査」と称する過剰な世論誘導)で潰された印象が大きい。裏を返すと、少なくとも民主党は、政権奪取初期の頃はマニフェストを「ちゃんと」やろうとしていた。
しかし、自民党の成長戦略なんてものは、こんなことを言うのは何だが、毎回「後付け」で出してきたものばかりであり、いつの間にか、
『ああ、こんなこと言ってたね』
で終わっている。
今度もそうはならないか。ま、そうなってもらっては困る、というか、「大変なこと」になるんだけど。
安倍内閣の面々にそうした意識ってあるのかな?
ところで、以前こんなことを述べたことがある。
菅直人首相(当時)が国家戦略担当大臣時代、自民党のある議員(茂木 現経済産業大臣のこと)の、「成長戦略」に関する質問に対し、こう「切って捨てた」ことがある。
『前政権時代に、「成長戦略」と称し、この10年間に10本を超える施策が出されたが、何一つとして成功した例はない。』
はっきりいって、「その通り」なんじゃないかな。
道新も、「三本目の矢」である成長戦略に疑念を抱いている。
成長戦略 決め手欠き道筋見えぬ(4月22日)
安倍晋三首相がデフレ脱却に向け、金融緩和、財政出動に続く「第3の矢」と位置付ける成長戦略の輪郭が見えてきた。
首相は19日の会見で成長戦略の柱として、医療産業の育成や女性の雇用拡大などを訴えた。
また政府は成長戦略の一環として、規制緩和や税制優遇に取り組む「国家戦略特区(アベノミクス戦略特区)」を東京、大阪、愛知の三大都市圏に設ける検討を始めた。
本来、3本目の矢は広く民間投資を喚起して、雇用の受け皿を整備する狙いのはずだ。だが戦略には、その柱が見当たらず、小粒の施策の寄せ集めとの感がぬぐえない。
大都市圏に偏重した戦略特区は、北海道など地方との経済格差が一層拡大する恐れもある。政府は6月に成長戦略を取りまとめるが、地方にも目を向け、抜本的に練り直してもらいたい。
安倍首相は、医療分野では再生医療の実用化などを推進する方針を掲げ、女性の雇用拡大では保育所の待機児童の解消を目指すとした。
それぞれ前向きの取り組みとして評価できるが、長期低迷が続いてきた日本経済の再生には、簡単には結び付かないだろう。
例えば、再生医療の核となる人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、がん化の恐れも指摘され、安全性や有効性の確認には時間がかかる。実用化は10年以上先だ。
女性の雇用拡大には育児支援などとともに、受け皿となる産業分野の育成が欠かせないが、具体的な道筋は示していない。
海外からの投資呼び込みなどを目的とした国家戦略特区にも、首をかしげざるを得ない。
例えば東京では、地下鉄などの都営交通の24時間運行を検討する。だが、どれほどの経済効果が見込まれるのか。24時間運行は保守・点検の時間が制約され、安全面がおろそかになりかねない。
大阪では、法人税の大幅引き下げを検討するというが、他地域から「不公平だ」との不満が噴き出すのは必至だろう。
特区制度は小泉純一郎政権下の2003年に始まり、民主党政権時代の11年には税制・財政などの支援措置も施す総合特区が加わった。
だが、中央省庁の縦割りなどが壁になり、必ずしもいい成果を生んでいないのが現実だ。
円安株高で上向き始めた日本経済を成長軌道に乗せるには、企業の投資を促す環境整備が重要だ。
脱原発に向けた再生可能エネルギーの産業化や食品加工の高付加価値化など、地方に波及効果の大きい投資も後押しする戦略を求めたい。
要するに、小泉・安倍・福田・麻生と連なる、自民下野直前の内閣時代に出された政策がまたぞろ出てきたのが、「三本目の矢」ではないのか。
それで、上記4内閣時代にだされた「成長戦略」って、果たしてうまくいったケースってあったっけ?
以前は「失敗」したが、今度は「うまくいく」、なんて思って出してきたんじゃないだろうな。
しかも、道新の社説を見る限り、具体的にいつまでにこうする、といったものが見当たらない、という点についても、過去の自民党を中心とする内閣が出した「成長戦略」とダブって見えてくる。
民主党の「マニフェスト」の場合、はっきりいって、役人や財界、加えて大マスコミはもとより、自民党(公明党)の「前与党」に都合が悪い政策が少なからずあったため、「力づく」(例えば、「世論調査」と称する過剰な世論誘導)で潰された印象が大きい。裏を返すと、少なくとも民主党は、政権奪取初期の頃はマニフェストを「ちゃんと」やろうとしていた。
しかし、自民党の成長戦略なんてものは、こんなことを言うのは何だが、毎回「後付け」で出してきたものばかりであり、いつの間にか、
『ああ、こんなこと言ってたね』
で終わっている。
今度もそうはならないか。ま、そうなってもらっては困る、というか、「大変なこと」になるんだけど。
安倍内閣の面々にそうした意識ってあるのかな?