小松島和平さんのコメントより
私が思うに、10場の中央競馬や24場の競艇よりも少ない売上・ファンを47場(厳密にはそれ以上の数の施行者)で奪い合う現行のシステムそのものがもはや限界に来ている訳ですよ。「選手は大量に切ります。開催を減らします。でも赤字の競輪場だけは後生大事に守ります」ではねえ。もし民間企業の社長が「従業員は斬るが赤字店舗は後生大事に守ります」なんて事ばかり言ってたら経営能力に疑問符を付けられますよ。
ところで、「市民球場」なんてものは、それこそ維持費だけでも大変な上に、開催もほとんど行われないことを考えると、赤字の垂れ流しになるに決まっているのに、潰されない。なぜか?
競輪場も、花月園、西武園、京王閣などを除けば自治体が所有している公共物である。しかし競輪の開催が行われればカネが曲がりなりにも入ってくる。しかも「即金」で。
公共物、つまり公共財、ということであるならば、B/C、つまり、費用=便益分析で考えるのがスジ。
ところが、おかしなことに、競輪場は自転車競技場であるのに、野球場のような扱いを受けているとは言いがたい。競輪がなくなれば廃止、てなことになりかねないのはどうしてなんだろ?
そこが問題。
思うに、泉崎とか、八戸とか、競輪を開催していない自転車競技場が全国に何十箇所かあるけど、こういったところも、競輪が開催できれば維持管理は楽になるのになぁ、と思う次第。
確かに21世紀に入ってからは今のところ、廃止されたのは、西宮、甲子園、それに来年3月廃止予定の花月園と、門司を除けばいずれも民間所有の競輪場にとどまっているが、そうでないところも安閑とはしていられない、というのは、どうもスジ違いというべきことではないか。
となると、とにかく黒字さえ出せれば、廃止とか言われる筋合いはないはず。だから今、赤字開催が多いのであるならば、それを減らせばいいわけ。というか、競輪事業って、実は貴重な自治体の財源確保になりうるべきものであり、かつ、自転車競技場としての、スポーツ振興策をも担っている。市民にも本来ならばもっと開放されるうるべき施設なんだが・・・
だったら、潰す必要ないじゃん。
選手も開催日も減らすというなら競輪場の統廃合についても真剣に考えるべきでしょう。そして全国バラバラで独自に運営させるのを止めて施行者を全輪協あたりに一本化(宝くじでは昔からやっている)して賞金や開催経費は一本化した新しい施行組織が出して利益が出れば各競輪場の売上におうじて加盟自治体に分配するといった事ぐらいやらないといけないと思いますよ。
例えば、高松と観音寺がある香川とか、神奈川とかいったところについては、統廃合、という話が出てもおかしくはない。しかし、廃合されたところの「穴埋め」が問題。
西甲の穴埋めができた、なんて話は聞かない。ということは、一つ穴が開くと、今のご時世、なかなか穴埋めというのは難しいのでは、という話に繋がってくる。
小松島和平さんの話は「正論」である。これは間違いない。
ただ思うに、正論だけを通すと、それこそ競輪そのものが存在しえなくなる恐れがある。要は公務員って、どれだけの売上げを上げただとか、収益がどうとかいった、営利型の事業には実は向いていない。だから、もうイヤだ!と思われたらおしまいなのである。
T社長もコンドル日記で再三、公務員だから、競輪がなくなれば市民が喜ぶ万々歳!って自虐的な表現を使って警告しているが、まさにその通りということなのかも。そう考えると、競輪を含めた公営競技事業は、民間よりも運営が難しい。民間だったら、債務超過とか、資金繰りの問題さえクリアできれば、赤字を垂れ流していても経営は十分成り立つからね。
そうした懸念があるからでもないんだが、場は残すことが前提だと思っている。
仮にJKAに運営権を移管するようなことがあったとしても、このことを忘れないように。さもなければ、統廃合したものの、「残ったところ」がダメでした、ではどうにもならんからなぁ・・・