昨日行われた松戸A級決勝で、92期の新人、牛山貴広が1センターから豪快に捲り切って優勝。わずか2場所目で初優勝。しかも完全V。そして同期としては最初の優勝経験者となった。
牛山については、スピードスケートのファンならばかなり知られた存在だったようで、昨年のトリノオリンピックにも出場した。
しかし、日本のスピードスケート事情というのは、五輪でもメダル争いに加われる短距離には練習環境等は手厚いが、牛山のカテゴリーだった中長距離は世界レベルからすると日本は大きく立ち遅れており、企業からの支援もままならなかった牛山は練習場を探し回りながらほとんど一人で練習していたそう。
「キングオブスケート」ともいえるオールラウンダー日本選手権(全日本スピードスケート選手権。橋本聖子が過去に10連覇した実績のある大会。)で牛山は2連覇の実績があるにもかかわらず、ほとんど評価の対象にはしてもらえない。ま、やってる本人からすれば腐らないほうがおかしいといえる。
もっとも、競輪とて練習は一人でやるのが基本だし、別にコーチがついてみてくれるわけじゃない。練習環境的にはスピードスケートと大差はない(ちなみに牛山は武田豊樹らを頼って茨城へと移った模様)。
しかし、牛山も競輪だけにただ止まるのではなく、五輪、世界選に出場(するだけではダメかも。出るからには「勝たねば」?)するような意識を持てば、はっきりいうが、そういった面だとスケートよりもはるかに待遇はいい。要はそうしたことを利用せねばダメ。つまり、競輪だけで終わるな、ということ。
ところで去年、たまたま91期の卒業記念レースを見ていたときに、まだ競輪学校入学前の牛山らとバッタリ出会い、私もいくつか彼らと話したが、その際、
「オリンピックには出るのか?」
とたずねたら、
「はい!出ます!」
と言ってたので、もしそれが真意ならばこれからも十分期待できると思う。