映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

関ヶ原

2017年09月03日 | 映画(さ行)
渋めの歴史ドラマ



* * * * * * * * * *

関が原の合戦に至るまでの石田三成の物語。
私、以前は石田三成には好印象がなくて、
どちらかと言えばキライな人物、と思っていたのですが、
昨年NHK大河ドラマ「真田丸」に登場する三成をみて、
なかなかこれも興味深い人物である、と思うようになりました。
そしてこのたび、岡田准一さんが三成役となれば、見ないわけにはいきません。



喉が渇いた秀吉に、まだ子供の三成がお茶を振る舞うエピソードは有名ですが、
本作の中でもちゃんとそのシーンがありました。
それをきっかけに豊臣秀吉に才能を認められた石田三成は、
以来秀吉に仕え、忠誠を誓う事になります。
しかし天下統一を成し遂げた秀吉も、
体は衰え、やがて亡くなってしまう。
そんな時、秀吉に成り代わり天下取りの野望に燃える徳川家康は、
言葉巧みに武将たちを自陣に引き込んでいきます。
そして1600年9月15日。
毛利輝元を総大将に立てた三成の西軍と
家康率いる東軍が関ヶ原で天下分け目の合戦。
どちらにつくか態度を決めかねた武将たちがおろおろと見守る中、
たったの数時間で趨勢は決まってしまったのでした・・・。



正義を重んじるけれども、人間関係に不器用。
自分の信念でひたすらまっすぐ突っ走ってしまい、
おべんちゃらやら策略やらで味方を増やそうとしなかったところが、
逆に言うと彼の魅力か。
ただし、この人ならば!と思い定めた人に対してだけは熱心ではありました。
だからこそ、彼を真に理解した人々は、決して彼を裏切らない、と。



私程度の歴史の知識では、若干ついていきにくい人間関係などもありましたが、
十分楽しめました。
かなり渋い歴史ドラマですが、
忍びの初芽(有村架純)とのエピソードがほんのり華を添えています。



ラスト、刑場へ引き立てられる三成が、
生きていた初芽の姿を道端に認め、
ほんの刹那、笑みをもらすところが壮絶にかっこよかったです!!


皆さま、とくとご覧あれ!


<シネマフロンティアにて>
「関ヶ原」
2017年/日本/149分
監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎
出演:岡田准一、役所広司、有村架純、平岳大、東出昌大
歴史発掘度★★★☆☆
満足度★★★.5


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2 コメント

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歴史絵巻 (もののはじめのiina)
2017-09-19 09:13:23
> 正義を重んじるけれども、人間関係に不器用。
理路整然と話して仕事にスキがなく、相手を遣り込める人というのは、いまも居ます。

戦闘シーンの歴史絵巻を映画で堪能しました。

去年に関ケ原を歩いていたので、タイムリーな映画公開でした。 意外に狭いエリアで戦ったように思いました。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/ebd2fd3fd609c1221db67c1f9078bdc4

また、秀吉・三成出逢いの「三献の茶」像は、長浜駅前に立っていましたょ。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/5f374ab224f563ffed934a62686d33c9



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史跡 (たんぽぽ)
2017-09-19 20:19:39
>iinaさま
歴史を知れば知るほど、各地の史跡巡りが楽しくなりますね。
北海道はそうした場所がほとんどないので、つまらないのです。関ヶ原・・・。歩いてみたくなりました。
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