心の奥底に潜む邪悪な欲望
* * * * * * * *
スティーヴン・キング原作です。
でもこれはホラーというより、心理サスペンス。
トッドはスポーツ万能・成績優秀。
彼はある日バスの中で、ナチの戦犯と思われる人物を目撃します。
彼は、名をデンカーと偽り、ドイツからアメリカへ渡り潜伏していた。
実は、かつてアウシュビッツの強制収容所で副所長をしていたドゥサンダー。
トッドは彼に接近し、ユダヤ人の苦しみもがき死んでゆく生々しい話をせがむ。
そうしなければ、世間に正体をばらすと脅して。
このときはまだ主導権をトッドが握っていました。
しかし次第に彼は、白昼にもホロコーストの悪夢にうなされるようになってくる。
そしてまた、昔日の悲惨な状況を語るデンカーも、
少しずつ昔の狂気がよみがえってくる。
じわじわと、己の内部に巣くう邪悪さに目覚めていく二人。
そしてまた、次第に主導権はデンカーのほうへと移ってくるのですが・・・。
ナチスの殺戮などには縁のなさそうなきれいな顔立ち、優等生のトッド。
しかし、心の奥底に、人の苦難を見たいという残酷な欲望があるわけです。
デンカーのほうも、今はもう過去を捨て去り何気なく生活していたところを、
トッドによってまた、かつての心の底の興奮を掘り起こされてゆく。
もしかすると誰の心の奥底にも、このような欲望はあるのかも知れず、
そうした怖さをえぐりだしています。
いつしか二人は一蓮托生となって、闇の世界に漂い始める・・・。
カメラはあえて二人のどちらにも感情移入せず、
ひたすら淡々と事象を捉えているようでした。
老人と少年の奇妙なコントラスト。
その接点がホロコーストという、異色作。
「ゴールデンボーイ」
1998年/アメリカ/112分
監督:ブライアン・シンガー
出演:ブラッド・レンフロ、イアン・マッケラン、ブルース・デイヴィソン、アン・ダウト
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スティーヴン・キング原作です。
でもこれはホラーというより、心理サスペンス。
トッドはスポーツ万能・成績優秀。
彼はある日バスの中で、ナチの戦犯と思われる人物を目撃します。
彼は、名をデンカーと偽り、ドイツからアメリカへ渡り潜伏していた。
実は、かつてアウシュビッツの強制収容所で副所長をしていたドゥサンダー。
トッドは彼に接近し、ユダヤ人の苦しみもがき死んでゆく生々しい話をせがむ。
そうしなければ、世間に正体をばらすと脅して。
このときはまだ主導権をトッドが握っていました。
しかし次第に彼は、白昼にもホロコーストの悪夢にうなされるようになってくる。
そしてまた、昔日の悲惨な状況を語るデンカーも、
少しずつ昔の狂気がよみがえってくる。
じわじわと、己の内部に巣くう邪悪さに目覚めていく二人。
そしてまた、次第に主導権はデンカーのほうへと移ってくるのですが・・・。
ナチスの殺戮などには縁のなさそうなきれいな顔立ち、優等生のトッド。
しかし、心の奥底に、人の苦難を見たいという残酷な欲望があるわけです。
デンカーのほうも、今はもう過去を捨て去り何気なく生活していたところを、
トッドによってまた、かつての心の底の興奮を掘り起こされてゆく。
もしかすると誰の心の奥底にも、このような欲望はあるのかも知れず、
そうした怖さをえぐりだしています。
いつしか二人は一蓮托生となって、闇の世界に漂い始める・・・。
カメラはあえて二人のどちらにも感情移入せず、
ひたすら淡々と事象を捉えているようでした。
老人と少年の奇妙なコントラスト。
その接点がホロコーストという、異色作。
ゴールデンボーイ [DVD] | |
ブラッド・レンフロ,イアン・マッケラン | |
パイオニアLDC |
「ゴールデンボーイ」
1998年/アメリカ/112分
監督:ブライアン・シンガー
出演:ブラッド・レンフロ、イアン・マッケラン、ブルース・デイヴィソン、アン・ダウト
この作品は未見ですが、原作は読みました。
すごくゾクゾクしながら読んだのを覚えています。
キング好きの友人から勧められて読んだんですが、
これと同じ本に入っていた「刑務所のリタ・ヘイワース」
(ショーシャンクの原作)はすごく面白かったです。
でも、その後最高傑作と勧められた「シャイニング」が
あまり面白くなく、キングはそれっきりに。
映画も面白そうですね。
こちらもショーシャンクも、本では未読です。
本には本のよさはありますよね。
近頃読みたい本に目移りしてしまって、なかなか読みきれない状況になってきました。
約2時間で、とにかくストーリーが終わる映画もいいけれど、じっくり物語世界の空想に浸り一ページ一ページ進むのがもどかしいくらいの読書もいいです。
この映画では、イアン・マッケランが、初めはほとんどいじめかと思うくらい、トッドに、コケにされているのに、次第に主導権を取り戻していく、その凄みのある演技、さすがでした。