映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

フェイク

2008年09月06日 | 映画(は行)
フェイク エクステンデッド・エディション

ソニー・ピクチャーズエンタテイメント

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FBIの囮捜査官ジョゼフ・ピストーネが6年にわたりマフィア組織に潜入。
これは、その実話を基にした物語。

ジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)はドニー・ブラスコと名前を変えて、マフィアの組織に近づく。
始めに接近したのは、マフィアの末端、
もういい年なんだけれどもうだつの上らないレフティ(アル・パチーノ)。
しかし彼は態度は尊大なんだけれど、情に厚い・・・。
まあ、昔かたぎとでも言いましょうか・・・。
何かとドニーを気遣い、面倒をみるのです。
レフティは彼を自分の息子とも引き比べてしまい、
ドニーに単なる弟分を越えた信頼・愛情を置くようになっていく。
そんな彼に対して、だましていることに罪悪感を感じ、いらだつドニー。

さてまた、やはりマフィアですからね。
暴力沙汰は日常茶飯事で、自分の正体がばれないためにはドニーも、それに加担しなければならない。
正体がばれること、すなわち死。
このように神経をすり減らす毎日の中で、次第に、ドニーとジョニーの境界線があいまいになっていく・・・。
そしてまたさらに、ジョーには妻と3人の子どもがいるのですが、
この囮捜査の生活のために家へはほとんど帰ることができず、
次第に妻や子どもたちとの絆も失われていく。

こんなにしてまで、続けるべき仕事なのかと、つい女の身の私は思ってしまうのですが・・・。
でも、どこかそれは彼にとっての「生きる」場になってしまっているのだなあ、
という感じはひしひしと伝わってきます。
もう、妻や子との「温かい家庭」にはなじめなくなってしまっている。
そんな事情とは裏腹に、彼のひそかな連絡や盗聴マイクのおかげで、
囮作戦はかなりの成果を上げていきます。
しかし、マフィア同士の抗争のため、いつしかドニーの身にも危険がせまり、
ついに作戦中止。
その時には、ドニーの正体も明かされるわけですが、
それはつまり、弟分として彼の面倒を見ていたレフティの責任ということで、
レフティの命も非情に危険ということ・・・。
レフティは最後に家を出る時に妻に言い残します。
「ドニーに伝えてくれ、お前なら許せる・・・」
こんな言葉を残せるくらいに、家族のような信頼を築いてしまったこの二人の男。
か~っ。渋いです。
男の世界ですね~。

アル・パチーノとジョニー・デップ、この共演は成功です。
おちゃらけなしの、クールなジョニー・デップは、やっぱりカッコイイ。

1997年/アメリカ/126分
監督:マイク・ニューウェル
出演:アル・パチーノ、ジョニー・デップ、マイケル・マドセン、ブルーノ・カービー