狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

赤い夕日の満州で

2006-03-04 16:20:06 | 県知事選
3月3日雛祭りの神戸港。

日本が世界に誇る新幹線の車両が「密かに」中国向けに船積されていた。

通常であれば華やかに、そして誇らしげに行われるはずの記念式典などは一切開かれず、ひっそりとした出荷であった。

≪中国では国家的プロジェクトを日本企業に任せることへの反発もあり、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などを理由に悪化する反日感情に配慮したとの見方もある。≫(共同通信)

今、日中関係は小泉首相の靖国参拝以来「政冷経熱」から「政冷経冷」になりつつあると言われ最悪の関係にある。

中国の鉄道高速化プロジェクトで、日本の新幹線はドイツ、フランスと売り込み競争で凌ぎを削っていた。

そんな中、変人小泉の頑(かたく)なな靖国参拝続行は中国の反日感情を逆なでした。

「中国は首相の神社参拝中止なら新幹線選定の意志」と言った情報が内外を飛び交った。

経団連の奥田会長もその様な声明を発した。

しかし、小泉は参拝を続行した。

小泉は心中密かに期する物があった、・・靖国を外交カードにしてはいけないと。

しかし新幹線は中国に向かって出荷された。

その陰には中国の遠大な野望が隠れていた。

自力では果たせなかった夢。

満鉄時代、日本が世界に誇った技術の集大成「中国版あじあ号」の再来を!

彼等は日本が満州に残した「世界に誇る技術」をそのまま接収した。

が、それを発展させる事は出来なかった。

そして今、日本の最先端技術を新幹線と云う形で丸ごと飲み込もうとしている。

         
         ◇         ◇        ◇ 


何処までも広がる満州の荒野。

遥か地平線を真っ赤な夕日が落ちていく。

そこを世界最速のスピードで突っ走る夢の超特急「あじあ号」。

あじあ号は、日本の資本・技術で運行されていた満州国の南満州鉄道が、1934年(昭和9年)から1943年(昭和18年)まで運行した特急列車である。

超特急とも呼ばれ当時の世界最速レベルを誇っていた。

その殆ど全てが日本の技術によって自力で設計・製作された。

「あじあ号」は当時の日本の鉄道技術の高さの象徴であり誇りであった。

1932年(昭和7年)、日本は中国大陸へ進出する過程で、中国東北部に満州国を成立させた。

その首都を内陸部の新京(現、長春)に置いた。

満州国は実質的には日本の傀儡国で、満州と日本本土との人的交流は従前にも増して頻繁になった。

港湾都市大連と、首都新京との間は南満州鉄道線によって結ばれており、大連港を発着する日本への定期船と連絡していた。

「あじあ号」はこの区間の速度向上のため、世界水準を目標に計画された列車である。

1933年(昭和8年)から1934年(昭和9年)にかけて、比較的短期間で開発が進められた。

日本の国鉄は狭軌でありスピードアップには限界があった。

「あじあ号」は満州の標準軌鉄道(広軌)でその夢を実現させた。

古い記録映画で見られるが、特筆すべきは、荷物車を除く全車両に冷房装置を完備していたことである。

これは後に一般化する冷媒の圧縮で冷却する方式ではなく、機関車から送られた高圧高熱の蒸気を用いる吸収式冷却方式であった。

砂塵の吹く満州の荒野では、空調装置の搭載は著しいサービスアップであった。

一等車・二等車はもとより三等車でも居住性はきわめて快適であり、また食堂車では白系ロシア人のウエイトレスがオリジナルの「あじあカクテル」を提供して好評を得た。


1934年(昭和9年)11月から運転を開始した「あじあ号」は最高速度130km/h、大連~新京間を走った。(「160km/h」が非営業では最高)

当時日本の鉄道省で最速の特急列車だった国内最速の「燕」(評定速度69.55km/h)を大きく凌いでいた。

満州・日本における人気と知名度は高く、1930年代における満鉄の代表列車として広く親しまれた。

「満鉄」は当時の日本が生み出した最高のシンクタンクであった。

炭鉱開発、製鉄業、港湾、農林牧畜に加えて、ホテル、図書館、学校などのインフラ整備も行い、満州国建国までの間、満州経営の中心的役割を果たした。

「同文同種」を夢見る日本のエリートが満鉄に集い、日本の満鉄を走った蒸気機関車・あじあ号は内地のそれを遥かに凌ぐ性能であった。

今ではあまり語られる事の無い満州国。

それは事実存在したにもかかわらず「偽」の一文字をつけて「偽満州国」として歴史の彼方に忘れ去れようとしている。

しかし満鉄が満州に残した各種インフラは、日本撤退後も、戦後成立した中華人民共和国が無償で接収し、東北部を経営する際にも大きく貢献した事は紛れも無い歴史の1ページである。

         
           ◇        ◇         ◇

その満州、・・・いや、中国大陸を超特急「あじあ号」、・・・いや、中国版・新幹線が走る!


◆中国新聞 (3月3日11時6分)

 中国へ新幹線を初出荷 式典なし、対日感情配慮か

(写真省略)中国に向け神戸港で続く新幹線型車両の出荷作業=3日午前11時40分、共同通信社ヘリから

  記念式典などは開かれず、ひっそりとした出荷。中国では国家的プロジェクトを日本企業に任せることへの反発もあり、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などを理由に悪化する反日感情に配慮したとの見方もある。

 川崎重工業は式典を開かなかった理由について「PRなどは提携先の中国メーカーが担当している」と説明している。

 川崎重工業などは中国政府から新型車両60編成(1編成8両)を受注、このうち3編成を日本国内で製造し、残りは共同で受注した中国メーカーに技術移転しながら現地で生産する計画だ。




◆共同通信 

04/12/29 09:17:52 ID:???
中国の許嘉☆・全国人民代表大会常務副委員長(国会副議長)は28日、北京市内で
日本の超党派議員らでつくる「日中新世紀会」の訪中団(団長・遠藤乙彦衆院議員)と会談し、
日本からの新幹線技術の導入について「小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題が解決
しないと難しい。小泉首相が温家宝首相と話し合う以外に決着する道はない」と述べた。

小泉首相が中国側に対し、靖国問題の解決に向けた姿勢を示すことで、初めて中国の
高速鉄道への新幹線技術の導入決定が可能になるとの見方を示したものとみられる。
また、中国外務省の武大偉次官も同日夜、訪中団との会談で「日本の鉄道技術が
一番いいことは分かっているが、今の政治的雰囲気の中で推進するのは困難だ」と語った。
(注)☆は王ヘンに路


コメント    この記事についてブログを書く
« マーガリンの恐怖 | トップ | 「嗚呼!甲子園」 連帯責任の愚 »

コメントを投稿