狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

自民党の見識、 結論先送り/「集団自決」意見書

2007-06-10 08:06:41 | ★集団自決

沖縄タイムス 2007年6月9日(土) 朝刊 1・29面  
 
自民、結論先送り/「集団自決」意見書

 県議会最大会派の自民党は八日、那覇市内で議員総会を開き、高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から「軍命」を削除した文部科学省の教科書検定に対する意見書への対応を協議したが、賛否の意見が分かれたため、結論は先送りした。
 執行部は全員の同意を得るため、文科省の検定意見の経過や真意を確認する必要があると判断。執行部代表が十三日にも上京し、関係機関で事実確認する。新垣哲司幹事長は「意見の真意などを確認した上、議員総会で協議し、速やかに結論を出したい」と述べた。

 総会では、多くの県議が「『集団自決』は事実。修正すべきではない」「採択を見送れば、県民の反発を招く」など賛成する意向を示した。一方で、「軍命の有無に対する事実関係が確かではない」「裁判で争われている。意見書は司法への政治介入になる」など反対意見も根強く、まとまらなかった。

 同問題への意見書で、自民内部は賛否の意見が割れ、定例会冒頭の採択に賛成できない方針を固めていた。だが、相次ぐ市町村議会での意見書採択や県民からの反響が大きく、事態を重視した執行部は七日、役員会で「軍の何らかの関与があったのは事実」という認識で一致させ、賛成の方向で調整に入ることを決めた。


     ◇     ◇     ◇

とりあえず、結論先延ばしで何とか逃れたが、自民議員団もやはりメディアの圧力に屈しかかっている様子が次の記事から垣間見れる。

自民内部は賛否の意見が割れ、定例会冒頭の採択に賛成できない方針を固めていた。

>だが、相次ぐ市町村議会での意見書採択や県民からの反響が大きく、事態を重視した執行部は七日、役員会で「軍の何らかの関与があったのは事実」という認識で一致させ、賛成の方向で調整に入ることを決めた。


沖縄タイムスを初めとする地元メディアの狂ったようなキャンペーンに対して、当日記には及ばずながらも「蟷螂の斧」しかない。

                   ◆

 

集団自決の記述修正に抗議/検定意見の撤回求める
2007/06/09 18:42

 


集団自決の記述修正に抗議/気勢を上げる参加者 抗議集会で気勢を上げる参加者=9日午後、那覇市

 沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの教科書記述に修正を求めた検定意見に抗議する集会が9日、那覇市内で開かれ、沖縄の教職員労働組合などの約1000人が文部科学省に検定意見の撤回を求めた。

 参加者は「沖縄戦の実像を歪曲するな」と訴え、那覇市中心部の国際通りをデモ行進。同市の主婦座間味洋子さん(55)は「あったことをなかったと変えるのは許せない。手りゅう弾を日本軍から渡され自決したという事実はどうなるのか。体験者のつらい思いが全部消されてしまう」と話した。

 沖縄県内では41市町村のうち約半数の議会で、検定意見の撤回を求める意見書を全会一致で可決している。

 一方、沖縄県議会では一部の自民党県議から「狭義の軍命があったかどうか疑問だ」「歴史観の完全な一致は難しい」などと意見書可決に慎重な声も上がっており、調整が続いている。(共同通信)

                     ◆

この時間(午前7時過ぎ)には沖縄タイムスも琉球新報もウェブサイトはまだ更新されていないので共同記事を引用した。

だが、手元に琉球新報の長官があるので見出しのみを紹介したい。

先ず一面トップ。

写真入の九段抜きで大見出しの羅列。

「戦争の実相時代に」

<「集団自決」軍命削除に広義>

教科書検定 3500人、 撤回要求  民広場

 

「県民大会」としたいところを「県民広場」としたのは新報もさすがに良心がうずいたのか。

二面は「識者評論 検定撤回県民大会」と題して

教師が結果覆す実践を

 

社会面の26、27面は大見出しのオンパレード。

 

 怒   真実継承へ決意

  涙   歴史歪曲許さず

 

あまりにもおどろおどろしいので後は省略。

大会前、主催者側は県内六十三団体の参加と本土からの参加者も含めて五千人の動員を見込んでいた。

実行委には県内の六十三団体が参加。歴史教科書執筆者らでつくる「大江・岩波沖縄戦裁判を支援し、沖縄の真実を広める首都圏の会」のメンバーも全国から集う。主催者側は五千人の参加を見込んでいる。(沖縄タイムス 6月9日)≫

果たして実際は何人参加者がいたのか。

読売を初め全国紙は主催者側発表の3500人と報道しているが、この手の発表は主催者側発表の半分と見れば間違いない。

勿論、琉球新報も主催者発表と断って3500人参加と報じている。

主催者発表ね~。

地元新聞なのに実際に数えなかったのだろうか。

写真からも概数はカウントできるので「当社計測」として参加人数を発表して欲しかった。

 

ところが、皮肉にも実際に大会を取材した共同配信記事では約1000人となっている。

通常「プロ市民集会」寄りの記事を配信する共同通信の取材で約1000人なら、実数は500人から700人がいいところか。

沖縄タイムスは関連会社の琉球放送を使って、大会の実況を放送させたようだが参加者が予定より大幅に下回った大会では、沖縄タイムスの空回りだったと推察する。

≪RBCiラジオで午後零時十分、二十分、三十分の三回、番組中に会場のお知らせを行う。(沖縄タイムス)≫

この稿を書いている時点で沖縄タイムスのウェブサイトはまだアップされていない。

当然主催者発表として3500人だと思うが・・・。

沖縄県民は賢明にも、沖縄タイムスが吹く笛で踊らなかった。

踊ったのは県内外の「プロ市民」だけだったようだ。

主催者大会を「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない!県民大会」と称していた。

だが、れは「県民広場」を利用しただけで「県民大会」ではない。

大会の本質は「大江・岩波書裁判を支援する大会」ではなかったのか。

 

大会のリーダー琉球大学のの高嶋伸欣教授は、

「過去には県民一体となり削除された記述を復活させている、今回も撤回に向けてねばり強く県民の声をぶつけていこう」(沖縄テレビ)

と訴えたそうだが、「県民の声」ではなく「プロ市民の声」と訂正して欲しいものだ。

又琉球新報によると、

「政治介入が問題の本質」 の見出しで

「岩波・大江」裁判の被告岩波書店の大塚編集長のコメントを乗せている。

安倍首相は「歴史や教科書の問題は専門家の論議と検証に委ねるべき」と問題の本質をついた発言をしている。

政治家である県議や市町村会議員に議決を迫って「政治介入」の圧力を加えているのはマスコミだと思うのだが・・・。

 

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