狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

県民大会開催に反対する

2007-09-10 10:29:50 | ★集団自決

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いつも地元二紙をブログのネタにさせてもらっているが、今日は新聞の休刊日。

午後から行われる金城重明氏の法廷尋問の記事は夕刊か明日の朝刊を待たねばならぬ。

昨日の新報朝刊には注目すべき記事が掲載された。

一日に一つしか載らない「論壇」に二つの記事が出たのだ。

二つとも「集団自決」関連で、対立する意見を載せて公平を装うアリバイ作りかと思ったが、もしそうだったとしたら編集者の意図は見事に裏切られる結果となった。

先ず一つは新報と意見を同じくする「軍命令あり」の意見。

福岡県在住の九州大学法科大学院生の下地健太氏(23歳)の投稿のタイトルは、

「乏しい論拠で安易な修正 集団自決は軍命令が通説」。

内容の大部分は「通説」を繰り返して沖縄マスコミの意見に擦り寄っているが、最後のくだりが目を引いた。

≪もっとも、集団自決で軍の直接の命令があったどうかについては、関係者の証言はあっても、それを裏付ける確たる証拠や公的資料は決して多くない。 この点、今後の沖縄研究の蓄積に期待するところが大きい。≫

ん? このくだりを読む限り、「軍命令なし」派とも取れる非常にバランス感覚のある方と見た。

だが、あえて正確を期すと「・・・それを裏付ける確たる証拠や公的資料は決して多くない。」ではなく「・・・それを裏付ける確たる証拠や公的資料は皆無である。」が正しい。

「軍命あり」派が唯一の物的証拠としているのが手りゅう弾であるが、これでもって「軍が命令した」証拠にするには説得力に欠ける。

何よりも今日の法廷証言者の金城重明氏も手りゅう弾ではなく石や棒を使ったし、自殺のために殺鼠剤を探し回ったという証言もあるくらいだ。

筆者の下地氏は福岡在住なので地元の異常な熱気に毒されずに冷静に判断できたのだろうか。

 

一方「軍命令無し」派の意見は、那覇市在住の地方公務員の宮平修氏(42歳)でタイトルは、

「自決は家族愛の尊厳死 県民大会開催に反対する」。

タイトルから見て集団自決を賛美する極端な「軍命なし」派かと思いきや、これも要点を網羅した実にバランスの取れた意見である。

特に、「・・・沖縄戦における集団自決の歴史教育に軍関与の記述の有無など大した影響はないと言え、県民大会の開催など絶対反対である。」の部分は公務員でありながら堂々と「県民大会反対」を述べた勇気には拍手を送りたい。

全県の公務員も見習ってほしい。

言うまでもないが,当日記はイデオロギーまみれの「県民大会」に断固反対する。

当日記が御託を並べるより以下に全文を引用するので熟読していただきたい。

県民大会開催に反対する

自決は家族愛の尊厳死

沖縄戦の集団自決における日本軍関与の教科書記述が、教科書検定により削除された問題で、大多数の方々が政府や文科省を批判しているが、日本軍関与の記述の有無が高校生の歴史教育に大きく影響するとは思えない。

沖縄戦の悲惨さは日本軍関与の有無とは関係なく十分子供たちに伝わるはずだ。 それよりもこの問題に対する一部世論が、「軍国主義化」「戦前回帰」「戦争の出来る国へ」など恣意的で論理がめちゃくちゃな言葉を述べることが、子供たちの教育に多大な悪影響を及ぼすということに何故気がつかないのか。 また、県議会が撤回を求める意見書を可決し文科省に撤回要請し、各労組や市民団体も撤回を求めて県民大会まで開催する勢いになっているが、このまま問題を拡大すると「沖縄蔑視の本土人」対「被害者意識から脱せ無ない沖縄人」の戦いにすり替わる可能性もあり、沖縄を戦前以上に日本から乖離させるもので厳に慎むべきだし、繰り返すが沖縄戦における集団自決の歴史教育に軍関与の記述の有無など大した影響はないと言え、県民大会の開催など絶対反対である。

翻って筆者は「軍の間接的関与」はあったのだろうと思うが、「軍の命令」があったとは思えないし、軍命があったと主張する方々に言いたいのは「死者を冒涜するな」の一言に尽きる。 当時、サイパン玉砕など伝え聞いた住民が、先人君の訓(おし)えと相まって「事ここにいたっては・・・」の精神状態になったとすれば無理からぬことであろう。

また、一般住宅に寄宿していた軍人から「捕虜になるより玉砕すべきだ」と説教を受けていたという話も聞くが、それもあったのだろう

これらを踏まえても軍命があったということにはならないし、仮に軍命により自決したとすると「肉親の命より軍命が大事」という結論に達しはしないか。 皇民化教育下でもそんなことはあるはずもなく、断じて認めるわけにはいかない。

彼らの死は、生き残ることにより死よりつらい生き地獄が愛する肉親に降りかかることを恐れての行動であり、家族以外の何物でもなかったのだろうと考える。

その彼らの尊厳死を強制集団死と貶め、「命どぅ宝」や「反戦平和」を声高に叫ぶ方々には、何をか言わんやである。

反戦平和は結構な事だが、それなら米国や中国に向かって運動すべきところを、その覚悟もなく集団自決は軍国主義や皇民化教育によるものだと、過去に生き、当時を生き、未来に生を受けるであろう同胞を守るために立ち上がった方々を批判し卑下する人々がわれわれと同じ日本人であるのかはなはだ疑問である。

筆者の祖父も守備隊に徴用されて戦死しているが、すべての戦没者の犠牲の上に現在の安定した社会が成り立っていることに感謝し祈りをささげることのみが、今日を生きるわれわれに必要なことではないだろうか。(那覇市、地方公務員、42歳 宮平修)≫

 

琉球新報さん、この「論壇」の掲載は気の緩みがなした業ですか。

アリバイ作りにしては宮平さんの論旨は明快でインパクトがありますよ。

これを掲載したのは失敗では無かったですかね。

それにしても宮平さん、お見事。

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首相の「職を賭す」のココロは?

2007-09-10 06:52:27 | 県知事選

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給油活動継続できねば退陣 首相「職を賭す」と決意強調
 【シドニー=船津寛】安倍晋三首相は9日午後、シドニー市内のホテルで記者会見し、インド洋での海上自衛隊の給油活動の継続問題で、「民主党をはじめ野党の理解を得るため、職を賭して取り組んでいく。職責にしがみつくということはない」と述べた。活動継続に反対する民主党など野党との調整が失敗に終わり、「海自撤退」という事態になれば、責任をとって退陣する考えを示したものだ。

 首相は、日米首脳会談など各国首脳との会談で活動継続への決意を示したことを踏まえ、「国会の状況は厳しいが、(活動継続が)国際的公約となった以上、私には大きな責任がある」と強調した。その上で、「あらゆる努力を行わなければならないと決意した」と不退転の姿勢を示した。

 海自の給油活動の根拠法であるテロ対策特別措置法は11月1日に期限が切れる。民主党など野党各党は同法の延長案に反対しており、政府・与党内では、民主党の意向に配慮した新法を国会提出して成立を図り、活動を継続する案が浮上している。首相も8日の同行記者団との懇談で、「(活動を)どう法的に担保していくかは工夫の余地がある」と述べていた。

 一方、9日の会見では民主党の小沢一郎代表との党首会談について言及し、「なるべく早い段階でお願いしたい」ととの意向を表明、野党側の意見に最大限耳を傾ける姿勢を示した。

 首相はまた、「(米中枢)同時多発テロでは24人の日本人が犠牲になった。このことを忘れてはいけない」と述べた。海自の活動はアフガニスタンにおけるテロ掃討作戦に従事する多国籍軍への支援だが、そのきっかけとなった平成13年9月11日の米中枢同時多発テロでは、日本人も犠牲になっている。「海自撤退はテロリストに対する日本人自身の敗北」との思いを強調することで、活動継続の意義を示し国民の理解を得るねらいもあったようだ。


首相会見要旨

 (日米豪首脳会談で)私は日本としてテロとの戦いを継続する意思について説明した。日米首脳会談でも説明した。国会の状況は大変厳しいが、このように国際的な公約となった以上、私には大きな責任がある。テロとの戦い(として)現在行っている自衛隊の補給活動を継続させるためには、あらゆる努力を行わなければならないと決意している。民主党をはじめ野党の理解を得るために、職を賭して取り組んでいく。

 9・11の同時多発テロで、24人の日本人の尊い命が奪われた。このことを忘れてはならない。テロとの戦いに今、国際社会が連携して取り組んでいる。そのなかで国際貢献を果たしていくことは、私の「主張する外交」の根幹の1つだ。何としてもこの活動は継続しなければならない。自衛隊の補給活動を継続していくための法案をこの国会に提出しなければならない。そして提出をした以上、成立を何とか果たしていかなければならない。民主党はじめ野党の理解をいただくために、私はあらゆる最大限の努力を払わなければならない。そのために全力を尽くしていく、職を賭していくという考えで臨んで、理解を求めていかなければならない。小沢党首との党首会談についても、なるべく早い段階でお願いをしたい。

 私の責任において、職責において、あらゆるすべての力を振り絞っての職責を果たしていかなければならない。私はその職責に、私の職責にしがみつくということはない。

(産経新聞 2007/09/09 21:47)

                                            ◇

▼参議院選惨敗の瞬間から小沢民主がテロ特措法に反対することは想定内だったはず。

「辞めろ、辞めろ」の大合唱を乗り切ったわけだから、今更「職を賭す」なんて言質をとられる発言をする必要があったのか。

ピンチの後にはチャンスあり。

実は安倍首相の発言の裏にしたたかな一発逆転の読みがある。

 

▼「抵抗勢力」という敵を作り、髪を振り乱してこれに立ち向かうライオン首相。

小泉前首相はこのイメージ作りに成功し支持率を得た。

「小泉劇場」の文言がメディアを乱れ飛び、「役者だな~」という言葉の揶揄的意味が薄れ、それが敬意に変って行った。

 

▼小泉前首相と比べられると安倍首相は「役者の演技力」で劣る。

これはいかんともし難い天性のもの。

だが、「抵抗勢力」を作り上げることに演技力は不要だ。

桝添厚労大臣は「社保庁」を抵抗勢力にして長妻議員のお株を奪い「桝添小劇場」の開演をした。

安倍の抵抗勢力は何だ。

徹底的抵抗する悪役のイメージ抜群の小沢民主以外にいない。

 

▼テロ特措法の何であるかを知る国民は少ない。

インド洋での自衛隊の給油は民主党の言うような「海上ガソリンスタンド」なんて軽い意味のモノではない。

これを中止したらとりあえずパキスタンが困る。

パキスタンが困る理由はパキスタン艦船は水の補給を唯一日本に頼っているからだ。

「テロとの戦い」の多国籍軍は一歩間違うと「イスラム国家との戦い」に変化する危機をはらんでいる。

パキスタンは多国籍軍の中の唯一のイスラム国家で、緩衝国として重要な立場にある。

パキスタン軍が活動できなくなると「テロとの戦い」という多国籍軍の大義にかげりを生じる。

自衛隊のパキスタン艦船への補給状況についてはhttp://www.mod.go.jp/jso/press/p200708232.pdf

 

▼過去エントリーで「国会の盲腸? たかが参院 されど参院」という記事を書いた。一部引用すると、

≪たとえ自民党惨敗でも、衆議院で与党が圧倒的多数を占めているから民主党政権が誕生することはない。

衆院で可決された法案が参院で否決されても、どうってことはない。

衆議院で再審議・採決・可決ということになる。

 ≪衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、
衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、
法律となる。≫(日本国憲法の第59条第2項)

多少法案採決に手間暇がかかるだけの話。

参議院が国会の盲腸と言われる所以である。≫

▼参議院で否決して衆議院に戻し、再び衆議院で3分の2以上で再可決して参議院に持ち込む。

その間に自衛隊は一旦帰国させ「休養」扱いにして参議院で可決ご再び派遣すればよい。

だ、その間生じるデメリットは、

①国際世論の日本批判

②無駄な往復による国費の浪費

しかし、①は安倍総理が誠心誠意国内事情を打ってれば再派遣により「論より証拠」で解決すること。

②に関してはこのような事態に至らしめた小沢民主党の攻撃材料に使えばよい。

政局のため、何でもかんでも反対する小沢民主をかつての社会党のイメージに仕立て上げれば、ピンチが転じてチャンスとなる。

▼「参議院惨敗」に比べて「自衛隊引き上げ」が「職責を賭す」に値する問題か。

「職責を賭す」という言葉に小沢民主を悪党に仕立て上げるための深慮遠謀が隠されているとしたら、ここで安倍首相に敬意を込めて次の言葉を送ろう。

「安倍さん、あんたも役者やのぅ」

 

◆参考エントリ:

インド洋に展開する国際ネットワークの意外

安倍総理は見かけよりしたたか

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