狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

ウコン奇談

2006-02-24 08:11:33 | 未分類
健康沖縄を代表する健康食品にウコンがある。

ウコンは元々方言で「ウッチン」と言っていた。 

今でも年寄りはウコンとは云わずウッチンという。

肝臓の特効薬と言われだして全国に知られるようになってからウコンという呼び方が定着してきた。


人間も齢を重ねてくると目で文字を認識して脳ミソに刻み込むのにインプット・ミスを
犯しやすくなる。

「コイミズ」という文字を見ると無意識に脳では「小泉」と変換され間違って記憶される。

読み慣れぬカタカナの羅列に視覚による識別と脳ミソがついていけないと言う事。
 
結局言葉を変えれば、読解力の減退と言う事に話は落ち着く。

           ◇           ◇

これは沖縄ブームが来る前の、沖縄健康食品が今のように知られる前の話である。

いち早く観光客にこれを宣伝しようと思った或る食堂のオバー、店の壁に墨クログロと自慢の料理の宣伝を大書して貼り付けた。

一人の観光客がその店に入り、オバーの張り紙をみて仰天した。

それも尋常な驚き様では無かった。

口は開けたまま、目は虚ろ、まるでコウノトリの一撃を食らった時の小泉首相の驚愕の表情にも匹敵するオドロキ様だった。

「当店のカレーライスにはウコンが入っています」

そのオバーの為に弁解しておくが、オバーはけして「コ」と「ン」を入れ違えたわけではなかった。

ウコンと言う単語を見慣れていない観光客が勝手に視覚のインプットミスを犯して、脳ミソがパニックを起こしたに過ぎなかったのだ。

なるほど確かにカレーの色とソノ色は良く似ている。

あまりの客のオドロキに今度はオバーが驚いた。

「お客さん。 心配要りませんよ。 これはオバーのサービスですから」

オバーはウッチンを自家栽培しているのが自慢であった。

観光客の驚きに動揺したオバー、止めのイッパツを放ってしまった。

「ウチのウンチは栄養万点よ。 ミソ汁にも入れてあげるよ。」

慣れないヤマト口と緊張のあまり、不覚にもこのオバー「ン」と「チ」を言い間違えてしまったのだ。

・・・・で、それからどうなたって?

哀れな観光客が、引き止めるオバーを振り切って、その店を逃げ出したのはいうまでもない。

出掛けにその男が呟いた一言をオバーは幸いにも聞いてはいなかった。

「沖縄では本当にミソもクソもいっしょにするのか!」

それにしても、ウコンとかウッチンとか、随分人騒がせな名前だ。



その頃は同じようなチン談・奇談はよくあった。

ホテルに入ってきた観光客が中の掲示ポスターを見て小さくつぶやいた。

「さすがは沖縄、奇妙なツアーがあるものだ。」

掲示には
「ケラマ観光ツアーに参加の方はフロントまで・・」と書かれていた。

けして「ケマラ観光ツアー・・」と書き違いはしていなかった。


◆今朝は早起きしてトリノ五輪の女子フィギャ―スケートを観戦した。

荒川静香選手が初めてメダル、・・・いや「金」メダルを取った。

村主章枝選手は4位入賞、安藤美姫選手は15位だった。

スグリフミエを正確に漢字変換するのにパソコンは四苦八苦する。

ましてや人間の脳ミソには、・・・・フグリスミエと読み違えるアナウンサーがいなかったのはさすが。

犬ふぐりとは俳句では春の季語だという。


        ◇         ◇         ◇

【蛇足集】
★ふぐり【陰嚢】 大辞泉
1 金玉(きんたま)。睾丸(こうがん)。いんのう。

2 松ぼっくり。松かさ。

「橋立の松の―も入り海の波もてぬらす文殊しりかな」〈咄・醒睡笑・五〉

★いぬ‐の‐ふぐり【犬の陰=嚢】 大辞泉
ゴマノハグサ科の越年草。道端や畑に生える。茎の下部は地をはい、長さ約一五センチ。葉は卵円形。春、淡紅紫色の小花を開く。実は扁平な球形で、名は実の形に由来。ひょうたんぐさ。てんにんからくさ。《季 春》


★ウコンとは
ウコンは肝臓の妙薬とされ、弱った肝臓の働きを回復させると言われている。
染料・着色料としても用いられ、代表的ところではカレー粉を黄色く見せている成分(=ターメリック)は秋ウコン。タクアンに色付けされる黄色も秋ウコン。

★ケラマ諸島
慶良間諸島のこと渡嘉敷と座間味島を主とする小島群からなり、沖縄観光の人気スポット。
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