ピーター・グリーナウェイ/倉田真木訳『レンブラントの夜警』ランダムハウス講談社、2008年
著者は映画「レンブラントの夜警」を撮った監督です。
本書はそのストーリーブックです。登場人物が多く、脚本のような書き方なので読みにくいところもありますが、筋は理解できました。とかく偉大な画家として神聖化されがちなレンブラントですが、生の人間としては成り上がりもので、打算的であり、放蕩です。
一言でいえばレンブラントは人間臭かったということになるのですが、ではどのように人間臭かったかについては本書を読むとか、映画を観るとよくわかります。
「夜警」は歴史的名作ですが、ここに描かれている市警団の群像についてひとりひとりが誰であるかがわかっているようで、ある意味で壮絶なドラマ画布に広がっています。画を仔細に眺めれば目立つ人とそうでもない人がいますし、手袋を脱ぐ(決闘する)人がいたり、手の影が微妙な位置にあったり・・・です。
そういうこともあってこの画は、当時あまり評判はよくなかったようです。また、この画は妻のサスキアが亡くなった年の作品で、以後、成り上がり者のレンブラントが凋落していきます。
財産管理の失敗、愛人へルートヘの婚約不履行の訴え、召使のヘンドリッキェの懐妊、彼女の教会からの破門。スキャンダルが続出し、レンブラントは富裕な顧客を失いました。
レンブラント研究も相当に進んでいて、その成果をふまえて書かれたもののようです。末尾に西洋美術研究家の木村泰司氏の要を得た解説ついています。
著者は映画「レンブラントの夜警」を撮った監督です。
本書はそのストーリーブックです。登場人物が多く、脚本のような書き方なので読みにくいところもありますが、筋は理解できました。とかく偉大な画家として神聖化されがちなレンブラントですが、生の人間としては成り上がりもので、打算的であり、放蕩です。
一言でいえばレンブラントは人間臭かったということになるのですが、ではどのように人間臭かったかについては本書を読むとか、映画を観るとよくわかります。
「夜警」は歴史的名作ですが、ここに描かれている市警団の群像についてひとりひとりが誰であるかがわかっているようで、ある意味で壮絶なドラマ画布に広がっています。画を仔細に眺めれば目立つ人とそうでもない人がいますし、手袋を脱ぐ(決闘する)人がいたり、手の影が微妙な位置にあったり・・・です。
そういうこともあってこの画は、当時あまり評判はよくなかったようです。また、この画は妻のサスキアが亡くなった年の作品で、以後、成り上がり者のレンブラントが凋落していきます。
財産管理の失敗、愛人へルートヘの婚約不履行の訴え、召使のヘンドリッキェの懐妊、彼女の教会からの破門。スキャンダルが続出し、レンブラントは富裕な顧客を失いました。
レンブラント研究も相当に進んでいて、その成果をふまえて書かれたもののようです。末尾に西洋美術研究家の木村泰司氏の要を得た解説ついています。