「沈黙」 遠藤周作著 新潮社 昭和49年3月20日 45刷 970円
古い本である。キリスト教についても、ほとんど勉強していない時に読んだ本である。
司祭 ドロリゴは、鎖国をしキリスト教の迫害が始まった日本での、
長崎の隠れキリシタンの火を絶やすまいとして、こっそり入国した。
長崎における隠れキリシタンの人達の極貧の生活の中で、
信仰を守り通し殉教した人々の姿と、キチジローのように簡単に転び、
また司祭までも売るような弱く卑怯な人間も描いている。
どちらかと言うと、自分はキチジローのような「弱かー人間」である。
棄教しますかと問われると簡単に承諾し、踏み絵を踏みなさいと言われると、
すぐに踏み難を逃れる卑怯な人間であろう。
アメリカ映画となって、21日に封切である。「沈黙 サイレンス」
監督は、マーティン・スコセッシである。
長崎にある遠藤周作文学館」の庭石には、
「人間がこんなに哀しいのに 主よ海があまりに碧いのです」と刻まれている。