あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

戦後日本の岐路

2015-10-26 16:15:40 | 思想
時代が進んでも、人間は進歩しないもののようである。現在、戦後、ようやく、日本に民主主義がもたらされたのに、それを、否定し、戦前の上意下達の国家主義、全体主義国家に戻そうと考えている政党が権力を握り、首相に立っている。言うまでもなく、その政党とは自民党であり。首相とは安倍晋三である。自民党の政策の基本は、国家主義、全体主義にあり、その際立ったものが、秘密保護法案、安保法案、憲法改正案、原発再稼働である。大日本帝国憲法において、天皇主権、国民を臣民として規定したのと同様に、自民党の憲法改正案においては、天皇を元首としてあがめ、国民の権利を国家権力の下位に規定している。異なっているのは、大日本帝国憲法においては、軍隊は天皇の指揮下にあったが、自民党の憲法改正案においては、自衛隊を国防軍とし、政権の指揮下に置いていることである。その自民党や安倍政権の考えを支持している国民も存在する。右翼的な思想の持ち主である。しかし、この右翼的な思想の持ち主たちは、自民党の憲法改正案が成立したならば、自分たちの一部しか生き残れないことに気づいていない。自民党とそれを支える官僚たちの考えと同じ考えをしているものしか生き残れないことに気づいていない。突撃隊は、ナチスの防衛組織であり、隊員は武器を持ち、ナチスの集会を防衛し、他派の集会への襲撃などを行って、ナチスの権力掌握に大いに献身したが、ヒトラーは国防軍との関係を重視し、1934年、レームら幹部を粛清し、無力化させた。どれだけナチスに貢献したとしても、役に立たなくなれば、消滅させられるのである。北一輝、西田税ともに、、国家主義者であったが、皇道派の青年将校に思想的影響を与えたとされ、実際には、2・26事件に関与していなかったが、事件の首謀者とみなされ、1937年、軍法会議で死刑の判決を受け、銃殺された。当時の日本は、完全な国家主義の国であったが、北一輝や西田税は、時の政権の考えと合わなかったので、冤罪によって処刑されたのである。右翼的な考えの集団であっても、右翼的な考えの個人であっても、時の政権の国家主義とその意見が一致しなければ、弾圧を受けるのである。まして、自由主義者、共産主義者は言うまでもない。ナチスも戦前の日本も、警察を使って、自由主義者や共産主義者を逮捕し、拷問し、殺した。日本においては、現在確認されているだけでも、拷問によって殺された人は、80人以上いると言われる。逮捕された女性の中には、拷問されたあげく、レイプされたり、子供を生めない体になったりした者がいる。どうして、戦前に戻して良いものか。どうして、秘密保護法案、安保法案、憲法法案を許して良いものか。どうして、安倍自民党政権を許して良いものか。


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