末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

FOTR:BOOK ONE ― I:A Long-expected Party(4)

2005-04-27 22:24:22 | トールキン:指輪物語(原作)
he felt deeply troubled :
he realized suddenly that he loved the old hobbit dearly.

                     ( FOTR:BOOK ONE )


Bilboが出発した直後、FrodoがBag Endに戻ってきます。

*~*~*~*~*~*~*~*~*

LOTRの主人公はFrodoですが、
第1章の前半は、前作 『ホビットの冒険』 の主人公であり、
指輪を手放す前のBilboにスポットがあたっているので、
おぉ、Frodo、やっと来たねぇという感じでしょうか(笑)

物語の雰囲気的にも、
Bilboが旅立つ前までは、まだまだ 『ホビット』 に近いノリなのに、
これ以降、不安な空気がどんどん漂いはじめていきます。

指輪の持ち主がBilboからFrodoへと移ったことで、
指輪をめぐる運命が、新たな局面を迎えるというのがよく伝わってきますね。
“ The Lord of the Rings” というタイトルの絶妙さを感じます。

さて、そのFrodoですが、


  ‘ But what about this Frodo that lives with him ? ’


あのBilboが認めた後継者だなんて、一体どんな若者なのさ? とは、
Hobbiton の住人でなくても非常に気になるところです(笑)

この日、彼は33歳の誕生日を迎えて成人に達したばかり。
誕生パーティーでの、Bilboのジョークを前もって知っていたはずなのに、
実際にBilboが会場から姿を消した瞬間、そのジョークを楽しむと同時に、


  he felt deeply troubled :
  he realized suddenly that he loved the old hobbit dearly.


と、そのままパーティー会場にいつづける気になれず、
Bag Endに戻ってきてしまうんですね。
(招待客にもっとワインを振舞うよう、忘れずに指示を出すのは
 さすがですけどね、旦那 ・笑 )

この後も、


  ‘ I wish ― I mean, I hoped until this evening that it was only a joke, ’
  ‘ But I knew in my heart that he really meant to go. He always used to
    joke about serious things. (略) ’


と、Bilboのジョークを台無しにしたくないこともあって
(と私は思っているのですが)、
見送りに間に合うよう戻れなかったことを悔やむFrodo。

英文のニュアンスを的確に読み取れるほど、
英語力を持ち合わせていない私ですが、
FrodoがBilboを思いやる場面は、
日本語訳よりも英語で読んだ方が、しんみりとしてしまいます。

ところで、上記のFrodoに対するGandalfの言葉、


  ‘ I think really he preferred slipping off quietly in the end ’


ですが、
指輪を手放す、その瞬間に挫けそうになってしまったBilboと、
何も知らないFrodoの気持ちとの、両方を慮った優しい台詞ですね。