映画「アレッポ 最後の男たち」を見ました。
2011年3月15日に始まった非暴力の大規模民主化運動に端を発し、
やがて、地獄のような戦争状態へと突入していった シリア において、
アサド独裁政権軍及びそれを支援するロシア軍が行う反体制派地域への
無差別爆撃に巻き込まれた人々を救助する、民間組織 Syria Civil Defence
(通称:ホワイト・ヘルメット)の任務を追ったドキュメンタリーです。
昨年6月に「 娘は戦場で生まれた 」を劇場で鑑賞してから、
シリア紛争を扱った他の作品を探して、一番見たいと思ったのがこの映画でした。
ホワイト・ヘルメットの隊員たちを、単純に '英雄' として映し出すのではなく、
戦時下に生きるが故の、迷い、苦悩、怒り、望み、絶望 ・・ など、彼らの言葉や表情を通し、
非常に '人間らしさ' に溢れた捉え方をしていたことが、たいへんに好印象であり、
念願叶って見ることができて良かった作品だと、あらためて思いました。
本作が焦点をあてているシリア情勢の期間は、
ロシアがアサド独裁政権への軍事支援を開始した、2015年9月のあたりから、
シリア北部に位置する国内最大都市アレッポが政府軍に包囲された、2016年の夏にかけて。
この映画の ワールド・プレミアは、2017年1月に開催されたサンダンス映画祭 であり
(同映画祭で、ワールド・シネマ: ドキュメンタリー・コンペティション部門グランプリを受賞)、
その前月の2016年12月には、アレッポは陥落して政権側に奪還されているため、
まさに、時宜を得て発表された映画だったと言えるでしょうし、それを実現した制作陣の手腕に感心しました。
しかし、シリア危機勃発から10年を経ても、
未だ、戦闘終結の道筋が見えずにいるシリアという国の現実は重く、
時の経過により、我々の無関心や忘却が進んでいくことが、
この戦争おける一般民間人の犠牲を増やすことに繋がっていくのだと、強く意識しておきたいです。
*~*~*~*
日本での本作の劇場公開は2019年4月でしたが、
配給の ユナイテッドピープル は、映画館での上映が終了した自社で上映権を持つ作品について、
引き続き、有志による市民上映会(自主上映会)で掛けられるように事業展開しており、
対象作品と、上映会の開催募集及び上映会のスケジュール情報が、
同社が運営する、市民上映会促進のwebサイト: cinemo にまとめられています。
今回、私が足を運んだ SDGs上映会 も、cinemoで運良く探せたものでした。
劇場公開がひと通り済んでしまったドキュメンタリーは、その後に、
鑑賞する機会を見つけるのが難しいため、とてもありがたい取り組みだと思います。
*~*~*~*
以下、映画「アレッポ 最後の男たち」を鑑賞後に、
作品理解を深めるために参照したサイト記事を、列挙しておきます。
[ ... Spoiler alert ! ... ]表記のあるリンク先は、記事のタイトルも含めて、
映画本編の展開に直結するネタバレが書かれていますので、要注意。
* シリア内戦10年、終息見えず 死者40万人、難民600万人―国民の半数が避難
( 時事ドットコム: 2021年3月14日 )
* 中東解体新書
( NHK: スペシャルコンテンツ内 )
* 内戦続くシリアで決死の救助活動、ドキュメンタリー「アレッポ 最後の男たち」公開
( 映画ナタリー: 2019年2月27日 )
* シリア内戦:ホワイト・ヘルメットの人命救助を「ねつ造」とするプロパガンダのうそ
( Yahoo!ニュース 個人 - 川上泰徳: 2016年12月30日 )
* <シリア>ホワイトヘルメットの女性隊員 「たくさんの死を見てきた」市民救護の最前線で
( Yahoo!ニュース 個人 - 玉本英子: 2021年6月1日 )
* ‘Last Men in Aleppo’ Director Firas Fayyad:
Russian Disinformation Campaign Distorts Image Of Syrian White Helmets
( DEADLINE: 2017年11月13日 )
* The Volunteer Who Rescued Syria's 'Miracle Baby' [ ... Spoiler alert ! ... ]
( National Public Radio, NPR: 2016年8月13日 )
* the POLITICO 28 class of 2017 [ ... Spoiler alert ! ... ]
( POLITICO: 2016年12月 )
*~*~*~*~*~*~*~*~*
映画 『アレッポ 最後の男たち』
◇原題:De sidste mænd i Aleppo
◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ )
◇鑑賞日:2021.6.27. 上映イベントにて
2011年3月15日に始まった非暴力の大規模民主化運動に端を発し、
やがて、地獄のような戦争状態へと突入していった シリア において、
アサド独裁政権軍及びそれを支援するロシア軍が行う反体制派地域への
無差別爆撃に巻き込まれた人々を救助する、民間組織 Syria Civil Defence
(通称:ホワイト・ヘルメット)の任務を追ったドキュメンタリーです。
昨年6月に「 娘は戦場で生まれた 」を劇場で鑑賞してから、
シリア紛争を扱った他の作品を探して、一番見たいと思ったのがこの映画でした。
ホワイト・ヘルメットの隊員たちを、単純に '英雄' として映し出すのではなく、
戦時下に生きるが故の、迷い、苦悩、怒り、望み、絶望 ・・ など、彼らの言葉や表情を通し、
非常に '人間らしさ' に溢れた捉え方をしていたことが、たいへんに好印象であり、
念願叶って見ることができて良かった作品だと、あらためて思いました。
本作が焦点をあてているシリア情勢の期間は、
ロシアがアサド独裁政権への軍事支援を開始した、2015年9月のあたりから、
シリア北部に位置する国内最大都市アレッポが政府軍に包囲された、2016年の夏にかけて。
この映画の ワールド・プレミアは、2017年1月に開催されたサンダンス映画祭 であり
(同映画祭で、ワールド・シネマ: ドキュメンタリー・コンペティション部門グランプリを受賞)、
その前月の2016年12月には、アレッポは陥落して政権側に奪還されているため、
まさに、時宜を得て発表された映画だったと言えるでしょうし、それを実現した制作陣の手腕に感心しました。
しかし、シリア危機勃発から10年を経ても、
未だ、戦闘終結の道筋が見えずにいるシリアという国の現実は重く、
時の経過により、我々の無関心や忘却が進んでいくことが、
この戦争おける一般民間人の犠牲を増やすことに繋がっていくのだと、強く意識しておきたいです。
*~*~*~*
日本での本作の劇場公開は2019年4月でしたが、
配給の ユナイテッドピープル は、映画館での上映が終了した自社で上映権を持つ作品について、
引き続き、有志による市民上映会(自主上映会)で掛けられるように事業展開しており、
対象作品と、上映会の開催募集及び上映会のスケジュール情報が、
同社が運営する、市民上映会促進のwebサイト: cinemo にまとめられています。
今回、私が足を運んだ SDGs上映会 も、cinemoで運良く探せたものでした。
劇場公開がひと通り済んでしまったドキュメンタリーは、その後に、
鑑賞する機会を見つけるのが難しいため、とてもありがたい取り組みだと思います。
*~*~*~*
以下、映画「アレッポ 最後の男たち」を鑑賞後に、
作品理解を深めるために参照したサイト記事を、列挙しておきます。
[ ... Spoiler alert ! ... ]表記のあるリンク先は、記事のタイトルも含めて、
映画本編の展開に直結するネタバレが書かれていますので、要注意。
* シリア内戦10年、終息見えず 死者40万人、難民600万人―国民の半数が避難
( 時事ドットコム: 2021年3月14日 )
* 中東解体新書
( NHK: スペシャルコンテンツ内 )
* 内戦続くシリアで決死の救助活動、ドキュメンタリー「アレッポ 最後の男たち」公開
( 映画ナタリー: 2019年2月27日 )
* シリア内戦:ホワイト・ヘルメットの人命救助を「ねつ造」とするプロパガンダのうそ
( Yahoo!ニュース 個人 - 川上泰徳: 2016年12月30日 )
* <シリア>ホワイトヘルメットの女性隊員 「たくさんの死を見てきた」市民救護の最前線で
( Yahoo!ニュース 個人 - 玉本英子: 2021年6月1日 )
* ‘Last Men in Aleppo’ Director Firas Fayyad:
Russian Disinformation Campaign Distorts Image Of Syrian White Helmets
( DEADLINE: 2017年11月13日 )
* The Volunteer Who Rescued Syria's 'Miracle Baby' [ ... Spoiler alert ! ... ]
( National Public Radio, NPR: 2016年8月13日 )
* the POLITICO 28 class of 2017 [ ... Spoiler alert ! ... ]
( POLITICO: 2016年12月 )
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映画 『アレッポ 最後の男たち』
◇原題:De sidste mænd i Aleppo
◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ )
◇鑑賞日:2021.6.27. 上映イベントにて