末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

旧作覚書き:「薔薇の名前」ほか1作品

2007-03-30 21:35:03 | 映画のはなし
今月みた映画 ( 旧作 ) の覚書きです。
すべてDVD鑑賞で、 多少のネタバレあり です。

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薔薇の名前 - 特別版
 ( 原題 : The Name of the Rose
   久し振りにレンタルしてきました。
   初めて見たのは、もう何年前になるでしょうか。
   当時は、謎解き ・・ というか、毒を塗られた写本の内容が、
   気になって、気になって、仕方がなかったけれど、
   改めて見てみたら、時代背景や、教会の本音と建て前などを、
   解かりやすくまとめて演出してあり、上手いなぁと感心しました。
   歴史モノの映画を割りと見るにしては、いま一つ、
   時代の流れを把握できていない私からすると、とても有り難いです。
   舞台となる修道院のセットも、雰囲気たっぷりで素晴らしいですね。
   特に、迷宮のような秘密の書庫と、あの写本たち!
   今回借りてきたDVDには、特典でメイキング映像が付いていたので、
   撮影秘話なども、面白く見ることが出来ましたが、
   観客を作品世界に引き込む為には、衣装や小道具の細部に至るまで、
   こだわりを持って取り組まなければ駄目だ、という話には大納得です♪
   グレゴリオ聖歌も、専門家の指導を受けて練習したみたいですが、
   役者さんたちの表情から察するに、なかなか大変そうでした。。
   特典映像の中には、原作と映画の関係性について、
   原作者のウンベルト・エーコと、映画監督のジャン=ジャック・アノーが、
   それぞれの立場から述べている箇所もあり、とても興味深かったです。


エニグマ
 ( 原題 : ENIGMA
   原作の小説を読んだ方が、面白かったかもしれない ・・
   と思いつつ、見てしまいました。
   第二次世界大戦中の対独暗号解読の中枢だった、
   英国の “ ブレッチリー・パーク ” のことや、
   戦後、数十年にもわたり、各国の思惑によって
   真相が明るみにされなかった、“ カティンの森事件 ” など、
   とても興味深い題材を扱っているのに、
   各シークエンスの繋ぎ方がいま一つなのか、
   暗号解読者たちに課せられた重圧とか緊迫感が、
   あまり伝わってこないのが何とも ・・ 。
   見所はそれなりにあったのに、一体、何故?
   でも、小説だけ読んだとしても、エニグマ機の構造とか、
   暗号解読所内に設置されたボンブの様子とか、
   多分、想像できなかったとは思いますけどね (汗)
   K・ウィンスレットは、典型的なヒロイン像よりも、
   本作のような、ちょっと垢抜けないものの、
   個性的で芯の強い役柄を、とても上手く演じますね。
   原作本、ちょっと探してみようかな?