末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

The Flute King

2012-11-30 22:30:32 | 音のはなし
最近、何気に慌ただしい日々が続いておりますが、
どうにか時間を確保して、クラシックのコンサートへ行ってきました。


ポーランド放送室内合奏団 with エマニュエル・パユ

   【日時】 11月28日(水) 19:00開演

   【会場】 東京オペラシティ コンサートホール

   【曲目】 モーツァルト : ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
         クヴァンツ : フルート協奏曲 ト長調
         C.P.E.バッハ : フルート協奏曲 イ長調
           《 休憩 》
         パッヘルベル : カノン ニ長調
         プロイセン王フリードリヒ2世 : フルート協奏曲 第3番 ハ長調
         グリーグ : 組曲「ホルベアの時代から」 作品40

          ++ アンコール( E・パユ ) ++
             ♪ 武満徹 : 声(ヴォイス) ~ 独奏フルート奏者のための ~


          ++ アンコール( ポーランド放送室内合奏団 ) ++
             ♪ W.キラル : オラヴァ


   【演奏】 ポーランド放送室内合奏団
         指揮 / アグニエシュカ・ドゥチマル
         フルート / エマニュエル・パユ
The Flute King


*~*~*~*~*~*~*~*~*

世界史は、あまり得意ではないのですが、
今年は、プロイセン国王フリードリヒ2世 の生誕300年にあたるのだそうです。

啓蒙専制君主の典型と言われるフリードリヒ2世は、
当時、プロイセンをヨーロッパ有数の大国に押し上げ、
その功績により、「フリードリヒ大王」とも呼ばれるのですが、
一方では、芸術的才能にも恵まれ、フルートを愛好し作曲も手掛けました。

今回のコンサートでは、
フリードリヒ2世のフルートの師であるクヴァンツの協奏曲、
王より宮廷楽団に招かれた、C.P.E.バッハ(大バッハの息子)による協奏曲、
そして、大王自らの手による協奏曲、の
3つのフルート協奏曲を、現代最高のフルート奏者であるE・パユが演奏します。

こういったプログラム編成を見ると、
好きなものだけをピンポイントに、つまみ食い状態で聴いているばかりでなく、
歴史的な流れ、同時代的な横のつながりなどをちゃんと把握した方が、
面白みが味わえて良いのだな~と、つくづく思います。
(それができない性格なので、世界史も、嫌いではないのに苦手なままなのです・・)

さて、肝心のフリードリヒ2世によるフルート協奏曲ですが、
すごく、イメージのハッキリした曲でした。
ロココ調と言えば良いのでしょうか? 華があって、美しい。
あわせて、堂々とした力強さみたいなものも随所に感じられ、王様らしさ満点でした。

このコンサートに足を運ぼうと思ったのは、
4月に、レ・ヴァン・フランセを聴きに行った際 に、会場で配られたチラシに案内があって、
"年内にもう一度、パユ氏のフルートが聴ける" という理由からでした。

そのため、ポーランド放送室内合奏団のことは、まったくチェックしていなかったのですが、
とても素晴しい演奏を披露してくれました。非常にフットワークの良いアンサンブル、といった印象で、
軽やかなのに、熱い音が奏でられ、ステージ上の彼らにグッと惹きつけられる瞬間が、何度もありました。
特に、アンコールは曲の効果とあいまって、非常に強いインパクトでした。
機会があれば、是非また、生で演奏を聴きたいです。

そういえば、この日のコンサートには、美智子皇后もお見えになっていました。
私は1階席の中ほどだったのですが、休憩中、周りの人たちがやたらとバルコニー席を振り返るので、
「いったい何ごとか?」と思い、一緒になって後方を眺めてみれば、
2階正面のバルコニー席に、美智子様がお掛けになっていらっしゃいました。
コメント