末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

旧作覚書き:「ストレイト・ストーリー」ほか1作品

2016-10-31 08:33:40 | 映画のはなし
今月、DVDにて鑑賞した旧作映画の覚書きです。
ややネタバレがあります。

*~*~*~*~*~*~*~*~*

★ストレイト・ストーリー
 ( 原題 : The Straight Story
   ゆったりと時間が流れていくタイプの映画は、もともと好きだけれど、
   慌しい日々のなかで見たせいか、いつも以上に、心に染みてきました。
   過去があるから、現在の自分がいるんだと、つくづく思います。
   歳月を重ね、色々なしがらみを経て、なお、自分の心に偽ることなく
   向き合えるというのは、勇敢であり、ステキなことですね。
   主演のR・ファンズワースさんは、この作品が遺作となりました。
   「 赤毛のアン 」でのマシュー役と共に、とても印象に残る演技でした。


★少女は自転車にのって
 ( 原題 : Wadjda
   幼なじみの男の子と自転車で競争したい!
   日本だったら、他愛もない少女の願いと言える願望も、
   舞台がサウジアラビアとなれば、事情がまったく違ってきます。
   この作品を見るにあたり、サウジアラビアのことをざっと調べたのですが、
   イスラム諸国の中でも、女性への戒律の厳しさはダントツ。
   女の子が自転車に乗るなんて、以てのほかなんですね。
   本作でも、主人公ワジダが自転車を手に入れるまでの物語の合い間に、
   一夫多妻制で辛い立場に置かれる彼女の母親や、
   女の子には価値がないからと、厄介払いのように嫁に出される話など、
   不条理さに苦しむサウジアラビアの女性たちの姿が、しばしば描写されています。
   また、レンタル版でも、特典のメイキング映像を見ることができたのですが、
   映画館の設置が禁じられている国で長編映画を撮ること、
   それも、手掛けるのが女性監督ということで、多くの困難があったとわかります。
   前向きな語り口で描かれるストーリーながらも、たくさん考えさせられる作品でした。