末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

NTライブ/夜中に犬に起こった奇妙な事件

2016-04-24 08:30:44 | 映画のはなし
NT Live「夜中に犬に起こった奇妙な事件」が
4月16日(土)~21日(木)まで、吉祥寺オデヲン
上映されていたので、見てきました。

一昨年に、NT Liveの日本上陸が決まった時、
現地での観劇経験のある人たちが、口を揃えて褒めていたのが
同演目だったので、日本に居ながらにして見られたのは嬉しいです。

文句なく素晴らしいのは、何よりも、その演出面でした。

主人公は、他人とは違う個性を持って生まれた少年クリストファー。
彼の自宅の向かいで飼われていた犬が、何者かに殺害される事件を契機に、
ご近所を捜索し、彼には秘められていた過去の出来事に行き当たり、
人生初の冒険に出かけ、更には、その物語を学校で劇として上演するという、
時間軸の行き来やら、劇中劇の入れ子構造やら、複雑な体を成している 原作 を、
限られた舞台空間と、必要最低限のセット&小道具でもって、
照明技術を駆使し、役者陣の身体の動きすら巧みに利用することで、
あらゆる場面が眼前に出現、心理状態さえ視覚化してみせる、見事なお芝居でした。

人間の持つ、創造力と想像力。本当にすごいな~と圧倒されました。

その一方で、どうしても引っかかってしまい、
残念な気持ちになってしまった要素もあります。

プロローグとエピローグに絡んでくる、"犬" のことです。

好意的に解釈しようとしても、この扱いは、私には納得いきませんでした。
あまりにもヒドすぎるし、そんなので許されないでしょ! というのが正直なところ。
どうして、みんな、これで平気なの?

ストーリー面のネタバレを、NT Liveでの鑑賞までシャットアウトしていたせいか、
余計にショッキングで、終映後も、一人もやもやしてしまいました。

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   NTライブ 『夜中に犬に起こった奇妙な事件』

  ◇原題:The Curious Incident of the Dog in the Night-Time
  ◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2016.4.19. 映画館にて