末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

僕たちは希望という名の列車に乗った

2019-07-29 08:16:39 | 映画のはなし
鑑賞済み作品のレビューも、ようやく最後の9本目となりました。

 1939年09月 ドイツのポーランド侵攻を受け、イギリス・フランスがドイツに宣戦布告。
        第二次世界大戦勃発。
 1941年06月 ドイツがソ連に侵攻し、独ソ不可侵条約を破棄。
        独ソ戦開戦。
 1945年05月 ドイツの無条件降伏。
        アメリカ・イギリス・フランス・ソ連の4ヶ国による、ドイツの占領統治開始。
 1948年06月 ベルリン封鎖(~1949年05月)。
 1949年05月 西ドイツ(ドイツ連邦共和国)成立。
 1949年10月 東ドイツ(ドイツ民主共和国)成立。
 1953年06月 東ベルリン暴動
 1956年10月 ハンガリー動乱
 1961年08月 ベルリンの壁 建設開始。
   ¦
 1989年11月 ベルリンの壁崩壊。
 1990年10月 東西ドイツ統一。

「僕たちは希望という名の列車に乗った」は、ベルリンの壁が建設される5年前の東ドイツが舞台で、
こちら のノンフィクション本を原作とした、実話に基づく映画です。

東西冷戦下のドイツと言えば、余りにもベルリンの壁の印象が強すぎるため、WWII以降の東西分裂後も
意外なほど、壁の建設前までは東西間の往来が自由であったことに、まずは驚きました。
結局、本作で描かれたような人材の流出が、壁の建設に拍車をかける一因となった訳ですね。

それにしても、若者たちの描写がとても素晴らしかったです。
皆、優秀な生徒たちではあるけれど、まだ高校生であり、その行動は時に、
認識の甘さだったり、頑なな潔癖さなどが、大人からすれば目につくのですが、
決断を迫られた際に自分で考え、信念を貫くため、敢えて困難な選択をしてやり遂げたことは、
若さゆえの一途さと大胆さが、上手く行動に結実した成果でもあります。
そうした、彼ら、彼女らの姿が、スクリーンを通して十分に伝わってきました。

あわせて、葛藤が滲み出てくるような親世代の様子からも、目が離せなくなります。
第二次世界大戦前夜から戦時中に、自分たちの国で起きたこと、自分たちがしてきたことを、
戦中に生まれて戦後に育った自分の子どもたちに対し、沈黙せざるを得ないという不幸。
鑑賞中、以前に見た映画「 顔のないヒトラーたち 」を思い出しました。

本作を手掛けたラース・クラウメ監督の前作
アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男 」は未見なので、
今度見てみたいと思います。

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   映画 『僕たちは希望という名の列車に乗った』

  ◇原題:Das schweigende Klassenzimmer
  ◇関連サイト:公式サイト( 日本版 )、IMDb( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2019.6.20. 映画館にて

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