末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

旧作覚書き:「ゴスフォード・パーク」ほか1作品

2014-09-30 23:39:59 | 映画のはなし
今月、DVDにて鑑賞した旧作映画の覚書きです。
ややネタバレがあります。

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★アナザー・カントリー
 ( 原題 : Another Country
   しばらく前に「 ケンブリッジ・ファイブの二律背反 」という
   記事を読んで、そういえば、「アナザー・カントリー」って
   見たことなかったなぁと思い、レンタルしてきました。
   イギリスの特権階級に生まれ育ちながら、なぜ、ソ連のスパイになったかを
   問われた時の言葉が、「 Tinker Tailor Soldier Spy(裏切りのサーカス) 」での
   "もぐら" の台詞を思い起こさせました。歴史に名を残す云々とか。
   (クリケットのことも、両者とも口にしていましたね)
   でも、この作品の醍醐味は、1930年代の英国パブリックスクールの内側を
   垣間見られる、という点なのだろうな、やはり。


★ゴスフォード・パーク
 ( 原題 : Gosford Park
   舞台は1932年、イギリス。
   貴族の邸宅であるカントリー・ハウス、"ゴスフォード・パーク" で繰り広げられる、
   上流階級の人々と、その使用人たちの、人間ドラマを描く群像劇です。
   見始めてしばらくは、あまりに多い登場人物の区別と相関を把握できず、
   混乱しながら画面を追っていたのですが、彼らの会話を聞いているうちに、
   その辺りも徐々に整理され、気がつけば、本編137分があっという間でした。
   途中、殺人事件も起きますが、作品要素として、事件の謎解きはあまり重要でなく、
   当時の時代背景 ―― 第1次世界大戦により加速する大英帝国衰退の兆しや、
   厳然たる階級制度がありながらも、互いに、依存したり影響しあう階級間のバランス等を、
   各登場人物の言動から感じ取っていく点に、面白さのメインがあったように思います。
   この作品は、レンタル版DVDにも特典映像がたっぷり付いていたので、
   時間の許す限り、コメンタリー等も見てみたのですが、
   製作側の意図が、如何にさりげなく、細部に込められていたかが窺い知れて、
   何度も本編を見返したくなり(実際、見返しました)、楽しめました。