ナショナル・ギャラリー英国の至宝

イギリスのロンドン、トラファルガー広場にある美術館、ナショナル・ギャラリー。
3ヶ月にわたる取材を通し、美術館運営の舞台裏に迫るドキュメンタリーです。

普段はなかなか見えてこない、プロフェッショナルな人たちによる
仕事への取り組み。そうした姿を追うドキュメンタリーは、結構好きです。

この作品でも、宣伝方針や来期予算についての会議場面から、
展示スペースの設営、企画ものの取材対応、様々なワークショップ開催など、
経営面から各種イベントまでの裏側を、カメラが次々に捉えていきます。
一番印象に残るのは、やはり、絵画の修復部門に関するところかな？
修復には、作品そのものへの理解の他に、美術史上の特徴、画材の性質、科学的要因など、
あらゆる知識を求められる職人仕事という面で、興味がつきません。

また、来館者向けのギャラリートークを収めたシーンも、
専ら鑑賞側にいる自分としては、非常に面白かったです。
画家の意図を知るには、実に、多くの情報をクロスオーバー的に
持つに越したことはなく、知れば知るほど、鑑賞の仕方に深みが出るということ。
作品の背景として、歴史や宗教の重要性はすぐに浮かびますが、
その絵が最初に飾られた場所（目線からの高さや、自然光がどう射し込むか）
まで考えて見たことなんて、今までありませんでした。

我々の好奇心を刺激し、日常の中に芸術を繋ぐための場所。
そんな、理想の美術館の在り方を問いかけてくる180分でした。

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　　　映画 『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』

　　◇原題：National Gallery
　　◇関連サイト：公式サイト （ 日本版 ）、IMDb　（ 関連ページ ）
　　◇鑑賞日：2015.2.22. 映画館にて