都内での上映はしばらく前に終了していますが、
この映画を見た記録は、やはりブログに残しておきたいので、
後れ馳せながら、レビューをアップします。
1961年に行われたアイヒマン裁判の舞台裏、史上初のTVによる裁判中継と、
世界37ヶ国への映像配信に挑んだTVマンたちの姿を描いた本作は、
強制収容所解放70周年を記念して撮られました。
裁判中継の成功に向けて奮闘するTVマンたちの場面を、ドラマ仕立てにする一方で、
彼らが撮影した法廷の映像部分には、実際の記録フィルムが使われています。
正直、評価が分かれる作品だと思いました。
歴史的な裁判を映像に記録したTVマンたちにスポットを当てるという視点には、
すごく面白みを感じるものの、実際に見てみると、
ドラマ部分よりも、間に挿入される記録映像の方に釘付けになってしまうからです。
当然というべきか、リアルな現実には敵わないものですね。
なので、劇映画としては、ドラマの焦点がボヤけてしまった印象ですが、
アウシュヴィッツの実態(の一端)を、後世の観客に "見せて" 伝えるという
映像メディアの使命は、しっかりと果していたように思います。
このあたり、映画製作陣もジレンマだったのではないでしょうか?
私自身は、見て良かったと思っています。プログラムも勉強になりましたし、
「 ハンナ・アーレント 」や「 顔のないヒトラーたち 」を連想しながら、鑑賞しました。
興味深ったのは、撮影監督のフルヴィッツが当時、
アイヒマンを "我々と同じようなありふれた男" と捉えていた点です。
ハンナ・アーレントの裁判傍聴記事発表以前にも、こうした考え方をする人がいたんですね。
マッカーシズムの煽りで差別される側にいた彼の経歴が、関係しているのでしょうか。
人が "過ち" を繰り返さないためには、"正しい" 情報を知ることと、
それを発信できることとが何より大事なのだと、考えさせられました。
*~*~*~*~*~*~*~*~*
映画 『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』
◇原題:The Eichmann Show
◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ )
◇鑑賞日:2016.6.14. 映画館にて
♪Martin Freeman / Milton Fruchtman
この映画を見た記録は、やはりブログに残しておきたいので、
後れ馳せながら、レビューをアップします。
1961年に行われたアイヒマン裁判の舞台裏、史上初のTVによる裁判中継と、
世界37ヶ国への映像配信に挑んだTVマンたちの姿を描いた本作は、
強制収容所解放70周年を記念して撮られました。
裁判中継の成功に向けて奮闘するTVマンたちの場面を、ドラマ仕立てにする一方で、
彼らが撮影した法廷の映像部分には、実際の記録フィルムが使われています。
正直、評価が分かれる作品だと思いました。
歴史的な裁判を映像に記録したTVマンたちにスポットを当てるという視点には、
すごく面白みを感じるものの、実際に見てみると、
ドラマ部分よりも、間に挿入される記録映像の方に釘付けになってしまうからです。
当然というべきか、リアルな現実には敵わないものですね。
なので、劇映画としては、ドラマの焦点がボヤけてしまった印象ですが、
アウシュヴィッツの実態(の一端)を、後世の観客に "見せて" 伝えるという
映像メディアの使命は、しっかりと果していたように思います。
このあたり、映画製作陣もジレンマだったのではないでしょうか?
私自身は、見て良かったと思っています。プログラムも勉強になりましたし、
「 ハンナ・アーレント 」や「 顔のないヒトラーたち 」を連想しながら、鑑賞しました。
興味深ったのは、撮影監督のフルヴィッツが当時、
アイヒマンを "我々と同じようなありふれた男" と捉えていた点です。
ハンナ・アーレントの裁判傍聴記事発表以前にも、こうした考え方をする人がいたんですね。
マッカーシズムの煽りで差別される側にいた彼の経歴が、関係しているのでしょうか。
人が "過ち" を繰り返さないためには、"正しい" 情報を知ることと、
それを発信できることとが何より大事なのだと、考えさせられました。
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映画 『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』
◇原題:The Eichmann Show
◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ )
◇鑑賞日:2016.6.14. 映画館にて
♪Martin Freeman / Milton Fruchtman