雪だよ

今日は朝から雪が降っています。

ゆうやは外を眺めて心配そうに言いました。
「お母さん、雪だね。作業所からの車、来てくれるかな。」

朝の仕度をしていると、電話が鳴りました。
やはり雪で渋滞していて、迎えの時間が遅れるとのことでした。

いつもより少し遅れて車が到着しました。
送迎車の屋根に、雪が１０センチほど積もっています。

ゆうやが乗るためにドアを開けると、ドサドサッと雪が落ちました。
道にも雪が積もっていて、ゆうやはいつもと違う景色に目を見開いていました。

「では行ってきます。」
「気をつけて行ってらっしゃい。」

車が出発しました。
ゆうやを見送りながら、ゆうやが初めて雪を見た日のことを思い出していました。

空からなにやら白いものが沢山降ってきて、ゆうやは私の方を不思議そうな顔をして見ていました。
「おかあたん、ごみ？」

その時は、雪をごみと間違えたゆうやでした。
今は、雪を見てすぐに雪と分かります。

「今日は電車に乗れるかなあ。」
ゆうやの心配事はもっぱら電車のことです。

夕方、作業所から帰ってきて、今日は電車に乗ることができるでしょうか～。


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