ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

中国と悪いヤ*ザ

2024-05-09 10:20:35 | 日記
私が大学生だった頃、つまり今は昔のことだが、その頃は任侠映画の全盛期だった。健さん(高倉健)が主演の「網走番外地」や、藤純子(富司純子)が主演の「緋牡丹博徒」のシリーズを見たさに、私は毎週、池袋にある「文芸地下」のオールナイト上映に通ったものだ。

健さんは「良いヤクザ」に所属する律儀者。はじめは「悪いヤクザ」の嫌がらせに必死で耐えるのだが、最後には耐えきれなくなって「悪いヤクザ」の組事務所に単身、ドスを片手に殴り込みをかける。そのシーンになると、映画館の暗い場内から「イヨッ、健さん!」といくつも野太い声が上がった。

当時、学生運動で名を馳せていた過激派セクトの活動家たちもこの映画を見にきていた。彼らは「良いヤクザ」に自分たちのセクトをダブらせ、ヒロイズムに酔っているようだった。


こんなことを書いたのは、他でもない、きのうの朝日新聞で、以下のような記事を読んだからである。

尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に中国が設置したブイは、昨年7月の発見から約10カ月経っても放置されたままだ。(中略)
中国のブイ設置は、周辺海域の管轄権を既成事実化する狙いがあるとみられている。日本政府は『我が国のEEZで同意なく構築物を設置することは、国連海洋法条約(UNCLOS)上の規定に反する』と主張。昨年11月の日中首脳会談でも即時撤去を求めたが、中国は応じていない。

(朝日新聞5月8日)

ヤクザ同士の抗争は、たいていシマ(縄張り)をめぐる利権争いから生じる。私はこの記事を読んで、「中国組」の親分が次のようにドスをきかせるのを聞いたと思ったのである。
「いいか、ここはな、ワシらのシマなんじゃ、ヘタな手出しはするんじゃねえぞ、わかったか!」
中国側のブイの設置を、私は「悪いヤクザ」の縄張り宣言と受けとったのである。

それだけではない。きのうテレビのニュース番組を見ていたら、中国の習近平国家主席がフランスのマクロン大統領と満面の笑顔で握手を交わしている映像が流れた。中国のチャーム・オフェンシブ(魅力攻勢。相手の心をつかむために意識的に親切に温かく接すること)らしいが、この映像にも、私は「悪いヤクザ」の親玉の習性を見たと思った。「悪いヤクザ」は己の勢力を拡大するために、ときには甘い顔を見せ、ときには怖い顔を見せたりもする。

さて、この「悪いヤクザ」にやられっ放しの我が弱小「日本組」だが、この先この「悪いヤクザ」にどう渡り合えばよいのか。
ここはあの「健さん」の登場を期待する場面ではないと思うのだが・・・。

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