ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

2020年最大の謎

2020-12-30 11:31:58 | 日記
今年も残すところわずかだが、ここ1年の出来事を振り返ると、最大の謎はアニメ作品「鬼滅の刃」の大ヒットである。聞くところによれば、アニメ映画の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、興行収入が324億円を超え、「千と千尋の神隠し」を抜いて歴代1位となったという。驚いたことに、公開から2カ月あまりで観客動員数は2404万人にのぼるというのだ。

噂に目のない天邪鬼爺のことである。私もさっそくアニメ作品の「鬼滅の刃」をのぞき見してみた。だが、全然面白くない。何の感慨も湧かないのである。
私は寝る前、スマホをかざし、アマゾンの動画サービスサイトでこのアニメ作品を見たのだが、いつもつまらなくなって眠ってしまう。それでも「いや、多くの人を感動させる何かがあるはずだ」と思い直し、再三再四チャレンジしたが、そのつど眠ってしまうのが常だった。

断っておくが、私はアニメ作品が嫌いなのではない。漫画やアニメを軽蔑する人種もいるが、私はそういう人種ではない。大学生だった頃は、行きつけの定食屋で、備え付けの『少年マガジン』に連載中の「あしたのジョー」に夢中になった憶えがあるし、歳をとってからは動画サイトGYAOで配信されたアニメ作品の「るろうに剣心」に熱をあげたこともある。

私は決して冷酷な無感動人間ではない。夜、寝る前に私はよくTVer やアマゾンの動画サービスを利用するのだが、石原裕次郎が主演の昭和期の映画作品を見てはぼろぼろ涙を流し、最近では、仲間由紀恵が主演の「ごくせん」シリーズを見て、げらげら笑い転げたりしている。

そんな私が見ても、「鬼滅の刃」に感動できないのは、一体なぜなのだろう。そんな「鬼滅の刃」が今年大ヒットしたというのは、一体どういうわけなのだろうか。

きょうの朝日新聞の社説では、「鬼滅の刃」が大ヒットした理由がいくつかあげられている。曰く、「努力、成長、友情、家族愛など普遍的なテーマが幅広い世代に支持された」ためではないか。「はかなく弱い存在だからこそ、人間は思いを強く持ち、信頼し合い、ともに立ち上がることができると訴えている。それがコロナ下に生きる人たちの切ない共感を呼び、静かに力づけているのではないか」とする学者先生の見解も紹介されている。

朝日の社説があげるそれらの理由は一々尤もだが、問題は、この私が「鬼滅の刃」に感動できなかった理由である。私は「努力、成長、友情、家族愛など普遍的なテーマ」に決して無関心な人間ではない。また、「はかなく弱い存在」としての人間に共感できない唐変木秀才のエリート人間でもない。凡俗の代表を自認するこの私、天邪鬼爺が「鬼滅の刃」になぜ感動できなかったのか、ーーそれが私にとっての最大の謎なのである。
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