
不動産屋で紹介された物件の不思議な音に悩まされる珍島犬ことチン・ホゲ。
「幽霊が出る」などと揶揄われていたものの、実際、本当の事故物件だったのだ。
事故物件などという言い方は、亡くなった方に対する敬意が足りないかもしれない。
亡くなった方が話せない分、警察がそして火事で亡くなったのなら消防が彼らの声にならない声を代弁しなければならないのだ。
こんな時こそ、珍島犬警察官とブルドーザータイプ消防官の出番だ。床をはがし、火の回り具合を再現し、遺体をどのように隠したのかを確認する。勿論それだけでなく、誰がどんな風に手を下したのかも再現しなければならない。砂漠から一粒の色の違った砂を探しだすような気の遠くなるような作業には頭が下がる。
ただ、被害者にも語る言葉があれば、加害者にも語る言葉がある。何を言っても命を奪ってしまった事が消える訳ではないのだが、追い詰められる気持ちは分かる。追い詰められた時にどんな風に勇気が出せるのか・・・かなり切ない事件だ。
反対に加害者が猛省しなければならない事件もあり。車に轢かれた際に遠くまで飛ばされてしまった小さい子どものひき逃げ事故。ひき逃げ犯人の痕跡を探す警察の大掛かりな捜査にもビックリするが、事件が起こった原因があまりにも身勝手故、本当に被害者の女の子が可哀そうになる。
残された女の子がどんな気持ちでこれから生きていくのかと思うと、切なくなる事件だ。
事件そのものだけでなく、捜査にあたる3人も命の危険と隣り合わせの場面も多々あり。親近感と信頼が次第に生まれるのも良く分かる。
消防士の仕事を数々が興味深い。