
ラミ・マレック演じるCIA分析官の男チャーリーが愛する妻を無差別テロで殺された事から特殊任務の訓練を受けて復讐を決意。ローレンス・フィッシュバーン演じる教官から、資質の無さを指摘されるも諦めずに復讐を開始する。
復讐に向かう心の動きが驚く程シンプルに語られる。逡巡するまでもなく、分析官として自分の資質も当然分析している事だろう。自分に復讐の資質がない事は十分に承知している上での復讐という選択。
銃口を相手に向ける事が出来ずとも、一つの道を究めている人物は、別のジャンルに対しても、プロの目を持って対峙する事が出来るのということなのか。それとも逆に彼がアマチュアであるということで相手に油断が生まれた事が彼に有利に働いたのか、復讐の旅を続けていく。
復讐の旅で巡る街の数々も美しい。カトリーナ・バルフ演じるインクワラインとのエピソードもどこか幸薄い感じがなんとも切ない。ただ、復讐という点から見るとややパワーが足りない感じも否めない。ローレンス・フィッシュバーン演じる教官のキャラクターも、観客が持っているであろう彼への印象を踏襲したもので、安定感はあるもののややどこか控えめ。
ラミ・マレックがアマチュアを演じるという所が映画の一番の見どころ。