モンウが川に落ちても不死鳥のように蘇り、虎視眈々とイ・インへの復讐の機会を狙っている間、イ・インは亡くなった王である兄から自らの跡を継ぐようにとの顧命が無かったにも関わらずトン尚宮に聞いたと言わせた事で王になったものの・・・その心根は辛かったのだろう。復讐心を募らせるモンウと違って、酒に溺れ女に溺れという、だらしない王そのものの生活を送っていたのだ。
更にそんな中、イ・インの母である大妃はイ・インの囲碁相手であるトクソン君を毒殺したらしい事が判るものの、イ・インはそれを分かっていながら見過ごすのだ。大妃はトン尚宮に褒美の品まで与えていたのに、王の母になるだけでは飽き足らずに、権力を自分だけに集中しようとしているのか。イ・インが何故酒に溺れ女に溺れたうつけ者に徹していたのかも、なんとなく想像がつく。トン尚宮はそんなイ・インの様子に何もせずに隣に居続ける事が出来る事を選択し、更に彼女の愛情が権力欲に勝っている事が話を余計複雑にしているんだろう。イ・インのそばに居られてもイ・インの愛情が得られない事で今後波乱が起きそうな事は簡単に想像出来る。
イ・インに近づこうとしていたモンウは、トクソン君の後釜の囲碁友になるべく選抜試験に挑戦。(ここでも誰も彼女が女性だということに気づかないのは時代劇的お約束なのか、それとも宦官も多く、小柄な男性が好まれたという事も関係しているのか・・・)
イ・インによって厳しい任務を次々と命ぜられ、殺されるよりも辛い目にあっているはずのミョンハは、モンウの選択に難色を示すものの、3年前の敵でも復讐に利用出来ると踏んだモンウは、ミョンファをイ・インへの復讐に彼を誘うのだ。復讐を成し遂げる為には方法も相手も選ばぬ彼女。
そんな彼女の気持ちも知らず、「今度こそモンウを守る」と決心するイ・イン。お互いの心の内を知らぬ事がこんな風に事態を複雑にしていくのだ。
後ろ盾を得る事でさえ謀反を疑われるような場所で、男装したモンウが無事に生き抜いて復讐が遂げられるとも思えないのだが。
時代劇らしい権力争いと駆け引きがとんでもなく恐ろしい。