厳しい状況を何とか打開すべくイ・ゴンを行動を共にするカプソクが選んだのは、彼らが御医の子女だと思っているオウォルを誘拐して切り札とする事。男性を拉致するという逆ポッサムから始まったトラブルを、女性をポッサムするという通常スタイルで打開しようとするのだが、イ・ゴン達の勘違いが発覚しない限り、トラブル解消も中途半端だ。父のせいでイ・ゴン達が危機に陥っている事に責任を感じるミョンユンの責任感と機転で都から抜け出す彼らだが、彼らを捕まえようとする似顔絵の完成度が高い事もあり、追手はすぐそこまで迫っているのだ。
逃げるイ・ゴンだけでなく、彼の替わりに世子となった弟のトソン大君の苦悩も続く。王妃の父でありトソン大君の祖父の権力志向と王妃を牛耳りたい大妃の思いで世子になったものの、自分が王になるには毒を盛られて意識の無い父である王が亡くなる必要があるのだ。複数で権力を握る事は出来ない。結局、権力はただ一人の者が手にする事で強大になるものの、その後、、その権力故、妬まれ、命を狙われる事になるのだ。時代劇を見て思うのは、権力を手に入れて幸せになれる事など殆どない事。誰も幸せにならないのに、皆権力に固執し、権力を手に入れてもそれは常に孤独と隣り合わせだ。
そういう意味で言ったら、ミョンユンが隣にいるイ・ゴンよりも、一人ぼっちいであるトソン大君の苦悩の方が深いかもしれず・・・・
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大妃とミョンユンの父である御医の哀しい過去が分かる。あまりにも辛い過去故、彼らの時間が停まっており、それ故歯止めが利かずに暴走してしまっていることが分かる。大妃の思いがメラメラと燃えているのも分かるのだが、彼らの実年齢を考えるとなんとも切なく、自ら不毛な復讐を止めるという選択がないのかと思ってしまう。