テレビ局の制作部でプロデューサーとして勤務するものの、担当する番組の不人気に悩み、プライベートもいまいちのヨルム。長年の友人である医師のジェフンに悩みを吐露し、都度都度助けられるものの、その微妙な関係が少しずつ変わっていく事が彼女の仕事の進捗状況と一緒に語られる。
プロデューサーを演じるイ・ダヒも、医師を演じるチェ・シウォンも、職業が華やかな上に、見た目も爽やか。ちょっとしたトレンディドラマじゃないかとも思ったのだが、ヨルムが演出を担当する恋愛バラエティの出演者に欠員が出、ジェフンが急遽番組に出演することになった事でドラマは俄然面白くなる。
ここから一気にお仕事ドラマとしても面白くなるのだ。やり過ぎとも思える演出でリアリティバラエティのPDとして君臨するヨルムの同僚でありライバルでもあるカンPD。ヨルムがリアルバラエティに出演するメンバーのリスクや影響の大きさに配慮しつつもなんとか面白い番組を作りたいと苦心するのとは真逆に、「たとえ素人でも目立ちたい、何かを変えたいという思いから番組出演を決断したなら、制作陣と同様に彼らもリスクを負うはず」と言う考えの元、振り切った演出を目指す彼女。
数字の取れる面白い番組を作りたいという思いは一緒でも、手法とマインドが違うとこうも衝突するものかというのが、リアリティ番組の裏側と一緒に描かれるのだ。正直、ジェフンとヨルムの友情以上愛情未満というリアルな恋愛より、作られたリアリティの方がよりスリリングだというのをドラマの中で見せるという面白さ。ドラマの本筋より、このリアリティ番組の落としどころはどこなんだろう?とそちらの行方の方が気になったりした。
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作られたリアリティ番組も仕掛けられた演出ばかりでなく、ジェフンの見合い相手だった女性が見せるプライドと勇気、人気漫画家とイケメンシェフのエピソード等、バラエティ番組の中の良心とも思える心温まるエピソードもあり。ドラマを楽しみつつ、恋愛リアルバラエティを楽しめ、更にはドラマも楽しめるというお得感たっぷりのドラマだった。